3つのたねに絵本の水を

日々思ったこと、子育てエピソードと共に、3人の子供たち(にーさん(中1)ひめ(小3)ちび(年中))に読み聞かせた絵本を1冊ずつ紹介しています。

かわいい子には旅をさせよ「こんとあき」

こんにちは。
おやつが食べたい時や何かをとって欲しい時に「マアーマッ!!」と叫びながら突進してくるちびが、私のことをママって言ってるのか未だに確信が持てないくるみです。

皆さんは子連れで電車に乗っていますか?

私は自分自身は小さい頃から移動と言えば電車だったのですが、子供が産まれてから駅から離れた家に引っ越しこともあり、車に慣れたらもう楽すぎてほとんど電車に乗りません。

子連れはとにかく荷物が多い。
おむつに着替え、少しのオモチャ、おやつに上着…

そんな大荷物をベビーカーに全てぶら下げて、ホームと電車のすき間にビビリながら乗り込み、スペースをとってしまうことに頭を下げつつ、下の子がグズらないことを願い、必死であやしながら、上の子たちも静かにさせ、揺れに耐える…そして降りたらエレベーター探し。

あまりにもハードルが高すぎます。

そんなこんなでうちの子は電車に乗り慣れていません。

でも、電車の旅もいいものですよね。
少し落ち着いたら経験させてあげたいなと思ったりします。

今日の絵本は電車で2人旅するお話。

ほんとにだいじょうぶ?

こんはきつねのぬいぐるみ。
こんのそばで赤ちゃんだったあきは少しずつ大きくなり、幼児に成長します。
ある日腕がほつれてしまったこんは、あきと一緒に砂丘町のおばあちゃんのお家まで行くことにしました。
2人で出かけたこんとあきですが…

このお話、幼児のあきがぬいぐるみのこんを連れていってあげる話と思いきや、こんの方があきを連れていってあげるお話です。

旅の途中でこんは何度も「だいじょうぶ」とあきを慰め、励まします。
赤ちゃんの頃からあきを見守っていたこんにとってあきは可愛く守るべき存在なのでしょう。

けれど、最後にはこんの「だいじょうぶ」の声は小さくなり…
2人は無事おばあちゃんの家に辿り着けるでしょうか。

ぬいぐるみと幼児の旅。
それはもうハラハラすること尽くしです。

案の定、ひめはこんとあきが離ればなれになってしまいそうな場面で「なんか涙が出てきた」と言い、そこから何度も涙目になりました。

そんなひめの横で、にーさんは「だいじょうぶって全然大丈夫じゃないじゃん」となんだか楽しそうにしていました。

「子供向けの絵本で死んだりしないだろ」と言う冷静なにーさん。
ひめをなぐさめてくれているのかも?
ひめの様子をチラチラ見ているにーさんに少し兄弟愛を感じました。

私は守ってあげているこんと、こんを頼っていたあきの関係性が少しずつ変わっていくのが、子供の成長と重なって、読後にじわじわきました。
こんの包み込むような優しさとあきの成長が温かい気持ちにさせます。

子供にとっては冒険物として、親にとっては子供の成長譚として、親子で楽しめる1冊です。

こんとあき (日本傑作絵本シリーズ)

こんとあき (日本傑作絵本シリーズ)

にーさんが初めて笑った「だるまさんが」

こんにちは。
私の坐骨神経痛のために手伝いに来てくれている母ですが、もともと性格が合わないためお互い無理してる感じで、やってもらってる手前言いたいことも言えず、この生活に限界を感じてきたくるみです。

さて、子供が産まれたら○○したいという願いはありましたか?もしくはありますか?

私もいろいろあった気がしますが、絵本を読んであげることもその1つでした。

優しい色合いのベビー用品が並んでいるきれいに片付いた明るい部屋で、ゆったりとした口調で絵本を読むお母さんと、夢中で絵本を見つめるかわいい赤ちゃん。

なんて想像をしていた遠い日…

実際は、おもちゃをどんどん出して散らかすにーさんに、ストーリーのある絵本を読んであげようと開いても、まったく見向きもせず、ひたすら図鑑絵本ばかり持ってきて、「ミキサー車ホイールローダー。パイルドライバー…」などとただただ重機の名前を読み上げさせられる日々。

思ってたんと違う〜(泣)

今日はそんなにーさんが初めてストーリー展開で笑ってくれた思い出の絵本。

愛嬌たっぷりのだるまさん

「だ る ま さ ん が」
とゆらゆら揺れるだるまさん。
次のページでは、転んだり伸びたりぺしゃんこになったり。
体いっぱいでいろんなことをしてくれるだるまさんに釘付けです。
ただの繰り返しのような「だるまさんが」のページのだるまさんの表情も、よく見ると毎回違い、愛嬌のあるだるまさんに惚れちゃいます。

にーさんが笑ってくれ、ひめも好きだったので、満を持してちびに読んだのですが、ちびは笑いもせず、途中で脱走してしまいました…

私の前のめり気味の姿勢が裏目に出たのか?

もう少ししたらまたチャレンジしてみます。

だるまさんが

だるまさんが

発達障害だとしても、発達障害でなくても「いっぽんのせんとマヌエル」

こんにちは。
ロフトへの梯子もどんどん上っていってしまう、怖いもの知らずのちびに手を焼いているくるみです。

去年、にーさんがアスペルガー症候群(知的障害のない自閉症)ではないかと本気で思うことがあり、その手の専門書を何冊か読みました。
もしそうだったら、親として何をしたらいいのか、知りたかったのです。

その読書で私が学んだことは、発達障害発達障害でないとされる人には明確に境界があるわけではないこと。(特に知的障害がない場合は分類しにくい)
加えて、障害があったとしても障害と呼ぶほどではなかったとしても、親がするべきことはそう変わらないこと、でした。

親ができることとして、私なりに理解したのは、

「子供の個性、特性をよく観察し、否定せずにそのままを認めて、もしそれによって生きにくさを感じることがあるなら、生きやすくなるように、工夫してあげること。将来的には自分でその工夫ができるように支援してあげること」

です。

それはどんな子供に対しても親がやるべきことに他ならないと思いました。

発達障害の症状が重い場合には、周りの助けが必要になってくると思ったので、にーさんは児童相談室でテストを受けました。

テストの結果が出ても「発達障害ではないですよ」とは言ってはくれません。こういうところが苦手です、と言われるだけです。
発達障害と呼ばれるかどうかはあくまで曖昧なのでしょう。(医療機関なら違うのかもしれません)

ただ、困っていた症状は軽くなりました。
その話はこちら↓

子育てに行き詰まったら 「ぎゅっ」 - 3つのたねに絵本の水を

専門家に相談に乗ってもらったり本で調べたりしたことは子育てをする上でとても勉強になりました。

スクールカウンセラーの制度など、本当に有り難かったです。

おかげさまで、今も探り探りですが、前を向いて子育てができています。

さて、長い前置きになってしまいましたが、そんなことを思い出した今日の絵本です。

「線」で繋がる世界

マヌエル君の1日は線と共に始まります。
絵本の初めから終わりまで続く1本の線。
学校の入り口も、ブランコも、ママの手も、線が繋ぎ、線で世界は続いていきます。

この絵本は、「線」に興味を持ち「線」を通して世界と繋がっている自閉症のマヌエルくんと作者が知り合ったことをきっかけに作られました。

ピクトグラムという言葉を絵で表したものが、ページごとに描かれていて、恐らく自閉症の子も楽しめる絵本なのではないかと思います。

絵本のすごいところは、そういう特殊な絵本だとしても、誰でも純粋にただ楽しめるところです。

字が読めても読めなくても、意味がわからなくてもわかっても、絵を見て何かを感じさえすればいいのです。

5歳のひめは線が続いていくことが楽しく、指で辿りながら読み、夜の星空に線が伸びているところでは、「点つなぎみたい!」ととても嬉しそうにしていました。

にーさんは、終始クールに眺めていましたが、ピクトグラムについて気になったらしく、後でじっくりあとがきを読んでいました。
あとがきにはこの絵本が生まれた経緯や自閉症について書かれています。
「どうだった?」と聞いたら、
「あとがき読むの好きなんだ」と満足そうにしていました。どんなことを感じたのでしょう。

「線」というものが特別に見える子もいる。
世界の見え方は人によって違う。
それぞれの見え方にいい悪いはない。
豊かな多様性があるだけなのだ。

そんなことを私は感じました。

アスペルガーの診断をされた方にも自閉症の方にも実際にお会いしたことなく、わかったようなことを言うな!と気分を害した方がいらしたら申し訳ないですm(_ _)m

いっぽんのせんとマヌエル

いっぽんのせんとマヌエル

美しい色見たさにページを開いてしまう「なにをたべてきたの?」

こんにちは。
MRI検査の結果、私の椎間板はがっつり飛び出していて、疑う余地もなくヘルニア診断されたくるみです。

ただ、このぐらい飛び出している方が自然治癒の可能性は高いと言われ、少しほっとしました。

けれども、足の痛みも痺れも続いています。運転できず、にーさんの習い事も送れず不甲斐ない。いつまで続くやら…

それにしても医療技術ってすごいですね。
MRIは磁力で体内を見ることができるし、超音波で胎児を見れるし、レントゲンは放射線で体内を見れる。

今に始まったことではないのだろうけど、すごいことだなぁと改めて感心してしまいました。

ただ、骨とか内臓とかの画像って少し恐いですよね。
この絵本のブタさんみたいにキレイだといいのに。

お腹に灯った美しい色

お腹を空かせたしろぶたくんがフルーツを食べていきます。
1つ食べるごとにしろぶたくんのお腹にはきれいな色が現れます。
まるで灯りがともったようにまあるい美しい色。
食いしんぼのしろぶたくん、何を食べてきたのかな?

最後に食べた物のせいで色がゴロゴロ混ざってマーブルになり、その色がとてもきれいでひめも大喜び。
私もその美しい色に目を奪われました。

何ともとぼけたしろぶたくんの会話も可愛らしく魅力です。

しろぶたくん、最後に何を食べちゃったのでしょう。
読んでみて下さいね。

なにをたべてきたの?

なにをたべてきたの?

発射カウントダウンの興奮を味わえる「ロケット発射場の一日」

こんにちは。
今日ちびが「ママ」と言った気がするくるみです。
初めて言葉を話した記念日を記録しようと思っても、たまたまなのか、意図して言ったのかが、わからないまましばらく過ぎていってしまうのです。上の2人も結局曖昧なまま…

ところで、皆さん宇宙は好きですか。

正直私は大人になるまであまり興味がなかったのですが、図鑑大好きなにーさんと「宇宙」の図鑑を見ているうちに、ここ数年で急速に好きになってきました。
今ではにーさんより宇宙ネタに敏感なほど。

今のにーさんは戦国武将に夢中で、宇宙の話では目を輝かせてはくれません。

けれども、まあ好きなジャンルではあるようなので、今日はにーさん(と私)向けにこの1冊。

5 4 3 2 1 発射!

人工衛星を乗せたイプシロンロケットが発射される日。
たくさんの人が見学に来て、管制官が見守る中、カウントダウンが始まりロケットは宇宙へと旅立っていきます。

物語というより、説明文に近いので小さい子向けではありません。
けれど、5歳でも補足しながら読めば理解できるレベルです。

ロケットの構造や組立の手順もありますが、そこまで専門的ではなく、絵が見やすいので気軽に読めます。

カウントダウンで読んでいる私達の気持ちも高ぶってきます。
そして、ロケット発射!噴煙の迫力など臨場感があり、とても印象に残りました。

管制官のデスクの家族の写真やペットボトルをロケットに見立ててはしゃぐ管制官など、人間味溢れる場面もちらほらあり、ほっこりします。

ひめは打ち上げられて初めて、「ロケットって宇宙に行くの?宇宙ってお空の上なの?」と。

にーさんはロケットを運ぶ作業が興味深かったようです。
 
有人ロケットはどう違うの。
人工衛星は何をするの。
日本は今まで何回くらい打ち上げているの。

などとどんどん疑問が湧いてきそうです。
宇宙への興味が広がる絵本でした。

ロケット発射場の一日 (講談社の創作絵本)

ロケット発射場の一日 (講談社の創作絵本)

並んでるのって気持ちいい「なーらんだ」

こんにちは。
薬を飲むと毎回喉に引っかかった感じがあり、老化のせいかとショックを受けているくるみです。

さて、にーさんがまだ小さい頃、玩具を並べるのが好きでした。

ミニカーはいつでも大渋滞。
積み木も折り紙もシールも乱れることなくきれいに1列。

今ではその几帳面さはどこへ行ったのだろうと思うほどのだらしない小3男子です。
あれはなんだったんだろう。

ひめもちびもそんなに並べたがりませんが、並んでいるものを見るのは気持ちいいものです。

ばらばらが一気に並ぶ爽快さ

ありさん、とりさん、クレヨンや車。
ばらばらなものが次のページにはほら、なーらんだ。

ぴしっと並ぶのって清々しさがあります。

同じことの繰り返し多い赤ちゃん絵本ですが、洗濯物では、「そうきたか〜!」と喜ぶひめ。
楽しい変化球です。

(私は「そうきたか」という言葉をひめが使ったことに驚きました。)

並んでいるものに注目してみると身の回りにもたくさんありますね。
にーさんのゲームソフト、バーコードの数字、コンビニのペットボトル……

みんなで見つけてみるのも楽しいです。

赤ちゃん絵本は、当たり前のように日常にあるひとコマを楽しくさせてくれます。
初めて世界を見るような初々しい気持ちを大切にしたいですね。

なーらんだ

なーらんだ

いつまでも眺めていたい「ないしょのかくれんぼ」

こんにちは。
MRI検査の未来カプセル感にドキドキしたくるみです。
あの音は一体なんだろう。電子音みたいな音がなんであんな大きいんだろう…異世界体験でした。

さて、子供の頃、親にないしょにしていたことがありますか?
私は禁止されていた漫画を読んだとか、電球でクレヨンを溶かして遊んだこととか…つまらないことしか思い出せません。

子供の頃のないしょというのは、バレたら怒られること、だったりします。

ダメと言われてやるスリルが楽しいこともあるけど、私はビビリなのでスリルは楽しめず、もし見つかってしまっても認めて欲しい、と淡い期待を抱いていました。

大人になると恥ずかしくて知られたくないないしょも増えていきますね。

今日は、こんな素敵なないしょがあったらいいな、という絵本。

いつまでも眺めていたい

マリアとねずみのネズネズは仲良し。でもそのことはみんなにはないしょ。
同じ屋根の下、人間のお部屋とネズミのお部屋と、それぞれのお部屋で暮らしています。
ある晩、マリアはママが見当たらないので探し始めました。
ちょうど同じ頃ネズネズもママを探し始め…

とにかく絵が精緻で見応えがあります。
ネズネズのお部屋には文房具やビンの蓋など、人間の使う小さなアイテムが家具などに姿を変えて置かれています。
借りぐらしのアリエッティアリエッティの家を見るような楽しさがあります。
こんなものが椅子に!などと眺めているだけで楽しい絵本です。

ひめはじっくり絵を楽しみたくて「まだ捲らないで」と乗り出してきます。

けれど、にーさんはストーリーが気になって「早く読んで」と進みたい様子。

ある程度待ったらひめには「後でまたゆっくり見てね」と先に行きます。

ページを捲る度に違う部屋が登場するので見飽きることがありません。
ネズミの部屋が人間の部屋とリンクしているのがとても可愛いです。

この絵本、実は「ないしょのおともだち」という絵本の続編らしく、是非そちらも読んでみたいです。

最後の場面もほっこり。
ないしょごとの行く末としてはかなり理想的。
温かくなる1冊です。

ないしょのかくれんぼ

ないしょのかくれんぼ