3つのたねに絵本の水を

日々思ったこと、子育てエピソードと共に、3人の子供たち(にーさん(中1)ひめ(小3)ちび(年中))に読み聞かせた絵本を1冊ずつ紹介しています。

おばあさんがぞろぞろ集まってくる奇妙なお話「つえつきばあさん」

こんにちは。

咳で処方された薬との飲み合わせでしばらくコーヒーを飲めなくなり、早くもコーヒーが恋しいくるみです。

飲めないと思うと無性に飲みたくなる…

 

さて。

このブログで紹介している絵本のほとんどは、子供3人全員に読み聞かせているものです。

 

とはいえ、上と下が8歳も離れた我が子たち。

みんなが楽しめる絵本はなかなかありません。

なので、それぞれの年齢に合ったものを1冊ずつ、1回で3冊読んでいます。

 

でもまあ、小学校高学年ともなると自分で読む能力も上がり、思春期にも差し掛かってくるせいか、素直に参加したがりません。

 

この春小学5年生になったにーさんは、宿題に、友達との遊びに、習い事に、通信教育に、テレビ、ゲーム、読書…と大忙し。

わざわざ時間を割いてまで参加したくはないのが本音だと思います。

 

けれど、元来本好きなのと、仲間外れになるのが嫌なのと、私への心遣いによって断り切れず、しぶしぶ参加している様子。

(あまのじゃくなので実は楽しんでいるのかもしれないし、本当のところは謎です。)

 

そんな彼にも楽しい時間だと感じてもらいたくて、絵本選びに熱が入ります。

 

今日は、にーさんが珍しく楽しそうに聞いていた絵本です。

 

つえつきばあさんまつり!?

あるごきげんな日、山からつえつきばあさんが歩き始めます。進むうちにぞろぞろと増えてくるつえつきばあさんたち。みんな揃って馬車に乗って、いったいどこに向かっているのでしょう?

 

あるごきげんな日 かなり 山おくの うしごやから つえつきばあさんが ギイと でてきました

題名「つえつきばあさん」。

そこから既に、不思議ワールドです。

赤い布を頬かぶりし、つえをついたおばあさんが牛小屋からギイと出てくる、という状況。

一体何が始まるのだろうとひめとにーさんは隅々までにぎやかな絵をじーっと眺めていました。

ちょっと不気味な絵に、「こわい」とちびはあっという間に退散しました。

 

読み進めるうちにぞろぞろぞろぞろと集まってくるつえつきばあさんたち。

まさかの集団に口をぽかんと開けて眺めるひめ。

繰り返される擬音語の「ギイ」が気になり、かぶせてくるにーさん。

 

何が始まるのかと思ったら…3年に一度のつえつきばあさんまつりですって!

つえつきばあさんまつりって…

 

つえつきおどりを踊って楽しむつえつきばあさん達。

中には若そうな人もいて、おばあさんなのか疑問です。

 

そして、お祭りが終わると帰っていきます。

 

内容はただそれだけなのですが、不思議な世界観にただただ圧倒されます。

ストーリーと絵が絶妙に合っていて、不気味さや奇妙さを互いに強め合っています。

 

お祭りが終わってもはしゃいでいるお茶目なつえつきばあさんの場面が好きでした。

 

是非、独特の世界観を味わって下さい。

つえつきばあさん

つえつきばあさん

 

 

"春"からの呼びかけに答える「はるですよ」

こんにちは。

春眠のせいか、子供と寝落ちしてしまうくるみです。

 

この春、ひめは入学し、にーさんは高学年になりクラス替え、ちびはもうすぐ幼稚園のプレスクールが始まります。

それぞれ、新しい1歩を踏み出す子供たち。

 

私は、それに伴う学用品の準備や書類の束、PTA問題に頭が痛いです。

 

さらに、花粉や季節の変わり目にやってくる体調不良に悩まされています。

そして、大嫌いな虫の季節の始まりでもあります。

 

そんなネガティブ要素もたくさんありながらも、服装も軽くなり、桜が舞い散るこの季節は、なぜだか心が踊ります。

 

諸外国に合わせて年度の秋始まりも検討されているらしいですが、やはり、桜と、新学期の何かが始まるワクワク感はセットとなって身体に染み付いているようです。

 

今日はそんな春の訪れを感じられる絵本です。

 

春からの呼びかけ

「こんにちは はるですよ」森に、山に、海辺に、田んぼに…海中にも、いろいろな所に春がきました。雪が溶け、生き物が活動し始め、花々の色彩に目を奪われる季節の日本の様子を描いた、春の喜びを感じられる絵本です。

 

「こんにちは はるは もう きましたか?」

と始まるこの絵本。そして、

「こんにちは はるですよ」

と毎ページ呼びかけられます。

山や田んぼ、水の中の様子がスケッチのように細やかに描かれ、ページをめくる度にそれぞれの春の情景が目に飛び込んできます。

本物のような草花や小動物に、まるで、絵本の景色の中に実際いるような気持ちになります。

さまざまな生き物に満たされた日本のうつくしい景色を見て、祖母の家を懐かしく思い出しました。

 

満開の桜のページや、れんげ草のページでは、ちびとひめは「かわいい!」と歓喜の叫びをあげていました。

「さくら!」と花の名前も言えるようになったちびは、表紙のうさぎがお気に入りでした。

 

それにしても、呼びかけているのは誰なのでしょう?"春"なのかな…?

「こんにちは!」と元気に答えて春を楽しめるように、丈夫な身体を作りたいです。

 

今日の寒さは冬のようでした。東京でも雪が降ったところもあるそうで…

皆さまも体調崩さぬよう、ご自愛下さい。

寒がりの私は、春が早く戻ってくることを願います。

 

早春から春にかけておすすめの絵本です。

はるですよ (四季のえほん)

はるですよ (四季のえほん)

 

 

秘密を共有する楽しさ「マーサのいぬまに」

こんにちは。

桜を見るといきものがかりのSAKURAを歌いたくなるくるみです。

みなさんは桜といえば、どの曲が浮かびますか?

 

先日、家族で映画を観に行きました。

好きな作家の辻村深月さんが脚本ということで、夫にプリキュアをお願いし、私はにーさんとドラえもんの映画を観ました。

 

人間の持つ想像力について、ドラえもんの言葉が印象深く心に残りました。

 

予告では、「ペッツ2」をやっていました。

「ペッツ」を見たことはないのですが、飼い主も知らないペットたちの意外な素顔を描いたお話、ということで、この絵本を思い出し、読んでみました。

 

秘密を共有する楽しさ

君は、君が学校に行ったあと、ぼくが一日ねむっていると思ってるだろ。そう話しかけるのは、ねこのライオネス。ご主人の留守中にどんなふうに過ごしているかをねこ自身がこっそりと教えてくれる絵本です。

 

見て下さい、表紙の賢そうなねこ。

飼い主がいない間何をしているのでしょう。

新聞を読んだり、筋トレしたり、絵を描いたり、ピアノを弾いたり。

人間の私が感心するような、多趣味多才なねこくん。

 

ミステリアスで、本当に何かを考えているのではないかと思いたくなるようなねこの印象にぴったりです。

 

クールに自分時間を楽しむ様子が面白く、語りかけてくれる口調も秘密を共有しているようで楽しいです。

どうして打ち明けてくれたんでしょう?

自慢したくなったのかな。

 

「ピアノも弾けるんだ、すごいね!」と言うひめの横で「ねこがこんなことできるわけないし」と冷めたにーさん、「ねこいた!」と毎ページネコ探しするちび。

三者三様の反応です。

 

額に入って飾っていそうな、アートのような色遣いの絵がおしゃれです。

 

ねこ好きの方はぜひ。もちろんいぬ派の方にも。

マーサのいぬまに

マーサのいぬまに

 

 

 

黒いのにかわいい絵本「ちっちゃなおさかなちゃん」

こんにちは。

かかりつけの小児科の先生が恐くて、毎回ビクビクしながら診察してもらうくるみです。

 

さて。

ひめはお絵描きやぬりえが大好きです。

そんなひめの真似をして、ちびもお絵描きやぬりえが好きになりました。

 

ちびは、色鉛筆の芯が減って書けなくなると、「けずって」と持ってくるのですが、白の色鉛筆は芯が出ていても「書けないからけずって」と言ってきます。

 

「紙が白いから書けてても見えないんだよ。」と説明してもわからないようなので、黒い折り紙に描いてみます。

 

すると、黒地に白というのが新鮮だったのか喜んで、他の色でも試していました。

 

確かに、黒地に描かれた絵も夜空に上がる花火のようで素敵です。

今、真っ黒な紙を専用のペンで削って絵を描くスクラッチアートというものも流行っているようですね。

 

今日の絵本は黒地に描かれたお魚さんの可愛い絵本です。

 

かわいい迷子のおさかなちゃん

ちっちゃなおさかなちゃんが、海の中でママを探します。

次々に出会う生き物たちに案内されて、おさかなちゃんは無事ママにも会えるでしょうか? 

赤ちゃんにも嬉しい厚紙の絵本です。

 

ママを探すちっちゃなおさかなちゃん。


かに、ひとで、くじら、たこ…などたくさんの海の生き物に出会います。

それぞれの動物はその特徴から可愛い名前が付いていてそれも楽しいです。

例えば、くにゃくにゃ動くたこの名前はクニャッポ。

 

ひめは、可愛い名前が出てくるたびについつい復唱していました。

 

絵の背景は深海のような黒。

赤ちゃん絵本としては斬新なデザインです。

暗くて恐い印象を与えそうな黒い背景ですが、おさかなちゃんや出てくる動物たちのカラフルでかわいらしい絵やユニークな名前のおかげで、全く暗さや悲壮感は感じません。

 

そして、ハッピーエンド。

ママに会えて良かった!「ママ だあいすき!」というストレートさにやられます。

背中の模様の虹色がママとおそろいで、絆も感じ、ほんわかします。

 

もうそろそろ厚紙の絵本は卒業かな、と寂しく思っていたのですが、6歳も楽しめる絵本でした。

シリーズも読んでみたいです。

ちっちゃな おさかなちゃん (世界中でくりかえし読まれている本)

ちっちゃな おさかなちゃん (世界中でくりかえし読まれている本)

 

 

人には言えない悩みのお話「おしっこちょっぴりもれたろう」

こんにちは。

よしお兄さんの最後を見届けようと思っていたのに、春休みのイレギュラースケジュールに惑わされてまんまと見逃してしまったくるみです。

 

さて、今日は少し恥ずかしいお話を。

(シモのお話なので、苦手な方は読まないで下さいm(_ _)m)

 

ひめの卒園式後に保護者の懇親会(という名の飲み会)がありました。

そこで盛り上がった話題、それは一体何でしょう?

 

それは……

 

尿モレの話でした。

 

こんな話で盛り上がるなんて、20代では考えられませんでした。

もしかしたら同じ年でも独身や出産経験のない方は考えられないかもしれません。

私自身、RIKACOさんが爽やかさを装ってCMしているのは他人事で、こんなに早く我が身に降ってくるとは思いませんでした。

(ましてやこんな話をブログで公開しちゃうなんて(苦笑))

 

30代以上の出産経験者、さらに2、3人目を産んだ方には共感していただけるかな…

 

妊娠中のマイナートラブルはあげるとキリがありませんが、中でも私が困ったのが尿モレでした。

3人目の妊娠中、風邪をひいてしまい、咳が止まらなくなり、その咳に伴う尿モレが半端なかったのてす。

 

寝ている間咳込むと、必ずといっていいほどモレるので、最大容量の吸水パッドを使っていました。

少容量のものだと、夜中に何度も替えなければいけないために起き上がらなければならなく、睡眠不足になり辛かったのです。

 

夫に吸水パッドを買ってきてもらうようにお願いしたところ(具合が悪くお願いするしかなかったので)、夫が行ったドラッグストアには少容量のパッドしかありませんでした。

夫が店員さんにもっと大容量がないのか聞いたところ(夫はそういうことに恥じらいを感じない人なのです)、「そんなに必要ないですよ。この容量で充分なはずです」と言われ、夫婦で苦笑いするという事件がありました。

 

そんな話をして盛り上がった飲み会。

なぜこんな恥ずかしい話で盛り上がれたかというと、それは、その場には出産による尿モレ経験者がたくさんいたから、です。

 

同じ悩みを共有するもの同士は話も弾みます。

 

今日の絵本は正にそんな絵本、その名も「おしっこちょっぴりもれたろう」です。

 

困ったことはみんなある

ぼく、おしっこちょっぴりもれたろう。

パンツにおしっこがちょっぴりもれちゃうから、いつもお母さんに怒られる。

でもみんな隠しているだけで、もれたろうなんじゃないの?

ユーモアの中に、深いテーマを感じる絵本です。

 

パンツ姿の男の子がパンツを覗き込む、というわりと衝撃的な表紙です。

名前も「もれたろう」。

最初から子供の心を惹きつけること間違いなし!

 

もれたろうくんはパンツを乾かす間、自分と同じ悩みを持つ仲間を探しに行きます。

すると、さまざまな違う悩みを持つ人に会うのです。

みんなそれぞれその人にしかわからない困ったことがあると気付くもれたろうくん。

 

周りはみんな幸せそうでいいなと思っていたら、意外とみんないろいろ悩んでいるものだと気付くことって成長過程でありますよね。

それをおしっこで惹きつけつつ、ユーモアたっぷりに教えてくれるというステキな絵本です。

さすが、ヨシタケシンスケさん!大好きです。

 

うちの子たちは「けっこうもれたろう」くんの登場に爆笑。

 

私は、お母さんの迷惑顔や濡れてないかな〜と覗き込むもれたろうくんが好きでした。

 

おしっこけっこうもれ子だった私は、今後の人生に向けて、尿モレ体操頑張ります。

おしっこちょっぴりもれたろう
 

 

 

子どもの最大限を引き出す"好き"の威力「あかがいちばん」

こんにちは。

まだダウンコートをクリーニングに出す勇気が出ない寒がりのくるみです。

 

昨日、ひめの洋服を通販で買いました。

幼稚園は制服だったので、あまり服を買わずにすんだのですが、入学するにあたり、着ていく服がない!と慌てて買い足したのです。

 

サイズ感などを実際に見て買いたい気もしますが、子連れで買い物に行くのはとにかく大変。

通販、本当に有り難いです。

 

欲しいものが色や種類で検索できるし、写真を見てコーディネートできるし、違うブランドのものもいっぺんに買えるし、1回寝かせておいて本当に必要か考えられるし。

外ではゆっくり買い物できない子育て中の強い味方です。

 

そんなこんなで通販サイトでひめの服を選んでいた私。

どんな服を買おうか悩みます。

子供の頃、母に「ピンクは似合わない」と言われ続けたことを今だに根に持っている私は、子供には好きな服を着て欲しい気持ちがあります。

 

でも、やはり、完全に自由に選ばせるわけにはいきません。

 

春から学校に行くのに厚手のニットを選ばれても困るし、学校にフリフリのワンピースやタイト目のスカートも困ります。

半袖はあるから今はいらないし、値段が高いものも困る…逆に安すぎて生地が薄そうなのや、洗濯しにくそうなものもダメ…

1つの色ばかりでも合わせにくいし、派手な色ばかりだと変わり者になっちゃう。

はおり物が1つもないのは困るし、たくさんは要らない。

 

結局いろいろ制限してしまいます…

服って、意外といろいろ考えながら選ぶものですね。

 

そんなわけで、私が候補を複数選んで、そこから選ばせる形にしました。

 

すると、やはり、私が選ばないような選択をするのです。

当たり前ですが、子供でもしっかりと自分の好みがあるものなんですね。

勝手に決めないで良かったです。

 

そんな今日の絵本は、好きなものを身につけていたい女の子のお話です。

 

 

子どもの最大限に引き出す「好き」の威力

お母さんは全然わかっていないけれど、赤はとっても素敵な色。

赤い靴下を履くと高く飛べるし、赤いパジャマはおばけを追い払ってくれる。

誰がなんて言ったって私は赤が大好き!

赤が大好きな女の子の気持ちを真っ直ぐに表した絵本です。

 

初めに真っ白なページに1行。

おかあさんったら あかのこと、 なんにも わかってないんだよ。

そして、女の子の独白が始まります。

 

女の子は赤が大好き。

高く飛べたり、強くなったり、美味しく感じたり。

赤は自分を変えてくれる素敵な色なのです。

それなのに、お母さんが他の色のものをすすめてくることが、女の子は不満です。

 

その不満を女の子が、女の子の言葉で、私達に教えてくれているような構成のため、子供の気持ちがストレートに伝わってきます。

 

さらに、赤い靴下を履いたときの躍動や、赤いヘアピンを付けた時の幸せそうな表情を見ると、女の子にとって赤がどれほど特別な色なのかがよくわかります。

 

こんなに幸せそうなら赤いもの身につけさせてあげなよ!という気持ちにもなるけれど…

 

いやいや、お母さんの言い分もわかることばかりなのです。

黄色いパジャマの方が暖かいから、とか、赤い手袋はもう穴が空いているから、とか…

実用性って大事です!

 

そして、子育てではこんなことが多いなぁと思い至ります。

子供の自由に好きにさせてなあげたいけど、危ないとか、後で困るとか、正当な理由で親は修正したくなるものです。

 

でも。

自分の力を最大限に発揮して、幸せそうな女の子を見ると何が子供にとって良い選択なのか考えさせられます。

「好き」の威力ってすごいです。

 

子供の気持ちを聞いて理解して寄り添ってあげることの大事さを思います。

 

でも、やっぱり全部は無理だなぁ…

 

ちびのボタン嫌いも否定したり説得したりせずにゆっくり聞いてみようかな。

あかがいちばん 新装改訂版 (海外秀作絵本)

あかがいちばん 新装改訂版 (海外秀作絵本)

 

 

始める前からあきらめるのかい?「ホームランを打ったことのない君に」

こんにちは。

無事卒園式を終え、やっと入学式に向けて準備する気になってきたくるみです。

 

先日テレビをつけたら、イチローさんの引退会見をやっていて、思わず見てしまいました。

野球に興味がない私でも知っている、数少ない野球選手であったイチローさんですが、いつ見ても独特な話し方をしていて興味深かったです。

記録よりもこの1年間が誇らしいというお話を聞いて少し考えてしまいました。

 

体を使って仕事をするスポーツ選手は、自分の身体に生じる怪我、疲労、老化、などの避けられない問題と向き合い、メンタルも気遣いながら技術面も磨いていかなければなりません。

その難しさを思い、改めて全てのスポーツ選手に敬意を払いたい念を抱きました。

 

たくさんのネガティブ要素とうまく折り合いをつけて、自分を信じて努力するのでしょう。

 

今日はそんなスポーツ選手に憧れる野球少年のお話です。

 

始める前からあきらめるのかい?

野球の試合で打てずに落ち込んでいたぼくは、コンビニで知り合いの野球青年仙ちゃんと会い、2人は野球について熱く語り合います。

「打ちてえなあ、ホームラン。一生に一度でいいから、でっかいのをな。」

夢に挑み続ける勇気をもらえる絵本です。

 

安打、セカンドゴロ、246のダブルプレー

野球をほとんど知らない私には、ちんぷんかんぷんの野球用語が出てきます。

同じく野球を知らない子供たちもきょとんとしていました。

 

でも、打つことを期待された打席で打てないどころかツーアウトをもらってしまった、という状況がわかれば大丈夫。

まあ野球をやっている方が間違いなく気持ちがわかり、深く読めるとは思います。

 

野球を知らない私は、まず、ホームランを打つことってそんなにも大変なことなんだ、と驚きました。

バレーボールでサービスエースをとるくらいの感じ(バレー部だったのでそんな例えですみません…)だと思ってました。

でも。

考えてみれば、野球って1回の試合で立てる打席も少ないし、ピッチャーも全力で投げている中で、あんなに大きく飛ばすことなんてなかなかできるものじゃないんですね、きっと。

打ちにいってはいけない戦略的なものもあるのかもしれませんし(全然違ったらすみません)。

 

練習だと打てるという仙ちゃん。

はあ…そういうものなんだ…

 

そして、球場で選手の打ったホームランを目にした時の話から、ホームランがどれだけ仙ちゃんにとって心奪われるものなのかということがわかります。

野球の細かい事情はとにかく、ホームランを試合で打つとういうことの持つ魅力と難しさとを理解できればいいのだと思います。

 

とても難しいことだけれど、憧れていること。

それは、野球に限らず誰もが持っていることでしょう。

 

大人になった私は当事者意識を持たず、憧れを憧れとして楽しむことに全く抵抗がありません。

でも。

始める前からあきらめるのかい。

仙ちゃんの言葉が刺さります。

 

憧れているだけじゃなくて、目指してみようよ!

そんな風に背中を押してくれる絵本です。

 

 

 

文の感じなど、小学生くらいの大きい子の方が向いているかもしれません。

大人も是非。

ホームランを打ったことのない君に

ホームランを打ったことのない君に