代々想いを絆ぐ壮大な物語「ことりをすきになった山」
こんにちは。
最近ウイスキーの美味しさに目覚め、大人の階段をまた1段上ったくるみです。
GWに入って家の整理や家周りの整頓をしているのですが、それだけだと子供が文句ブーブーなので、昨日は立川の昭和記念公園に行ってきました。
ツツジがきれいでしたが、なんといっても新緑の季節。見渡す限り、緑。若葉がキラキラしていて、生き生きとした自然を感じ、癒やされました。
この1つ1つの植物はタネから育ち、何年、何十年かけて育ってきたのだなぁ。
そしてそのタネは、はるか昔から受け継がれ、育まれてきたものなんだ。
生命ある星、地球。
そんな星に私はいるんだ、
などと、大きなことを考えてしまいます。
今日の絵本も人の寿命を超えた長い時間や地球の美しさに想いを馳せてしまう1冊です。
代々想いを絆ぐ壮大な物語
生き物の育たない岩だらけの山にある日とまった1羽の小鳥。小鳥と触れ合い心を動かされた山は小鳥にずっといて欲しいと懇願するが、小鳥はまた来る約束だけして行ってしまう。しかし、小鳥は世代が変わってもきちんと毎年約束を果たし…
山と小鳥。
山は冷たさしか知らず、無機質でごつごつとしていて、それに対して小鳥は柔らかく温もりがあり、美しい声で歌い、2、3年で命尽きます。
物語はこの対照的な2人の長い長い年月をかけた恋物話です。
山は小鳥に出会ったことで、待ち焦がれる苦しさと別れの辛さを知ります。
山にとっての時間軸と小鳥の時間軸は違います。
小鳥は春になる度にしっかりと忘れずに山に会いに来て、2、3回の春を経るともう死んでしまいます。しかし、その意志は継がれ、次の春にはその子どもが山に会いにいくのです。それが何代も何代も続きます。涙を流したりしないので淡々としているように見えますが、小鳥はとても誠実です。
小鳥の名前はジョイ。
喜びをもたらすと同時に苦しみや寂しさも与え、生命の美しさの象徴のように温かく、柔らかく、儚いのです。
待つことしかできない山の切なさと小鳥の健気さが心にぐっときます。
長い長い年月の経過は2人に何かをもたらすでしょうか。
子供たちは、静かに聞いていました。
いつか誰かを小鳥のような真摯さで想うことがあるかな…
大人にも響く1冊です。
- 作者: アリスマクレーラン,エリックカール,ゆあさふみえ
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1987/10/01
- メディア: 単行本
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