月はいつも何をしているの?「もしきみが月だったら」
こんにちは。
おにぎりくらいしかお料理の名前を知らないのに、毎日「きょうのごはんなに?」と聞いてくるちび。「オムライスだよ」と答えたら、「いいものみたい」と、響きだけでいいものと決めて喜んでいて、その言い回しが素敵だなと思ったくるみです。
月を見るのが好きなちびは、昼間でも月を見つけようとします。空にうっすらと白い月を見つけると嬉しくて何度も見上げます。
建物で見えなくなったり、道を曲がったせいで見える方向が変わったりするのが、まだ予想できないちびは、見えなくなると「あれ?いなくなっちゃった!」と驚きます。
「あっちに見えるよ」と教えてあげると「ほんとだ!こっちにいたのか」とまた嬉しそうに見上げます。
そんなある日、「お月さまにバイバイしておうちに入ろう」と言うと、「お月さまはどっちに曲がるのかな」とちび。
お月さまが曲がる、という発想はなかったなぁ。
形も見える方角も変わるけれど、毎日のように空に現れる月。
地球が丸いことも知らずにいた時代では、どんなに神秘的に映ったんだろう。
私は地球が丸いことも月が地球の衛星であることも知ってしまっていて、もう知らない状態には戻れないのだけれど、もし可能なら、何も知らない状態で、月を見上げてあれはなんだろうって思ってみたかったなぁと憧れます。
知る前にいろいろと想像することって、知ってしまったらもうできません。
なので、教科書やインターネットでたくさんのことが知れちゃうことは少し寂しいかな、とも思います。
でも知ったら知ったで、更にその先の謎や、知った上で考えられることもあって、やっぱり知ることは知ることで楽しいことだと思うのです。
今日の絵本は、そんな想像することと知ることの葛藤をしている私にもぴったりの、どっちにも考慮がある、月についての科学絵本です。
月はいつも何をしているの?
疲れた1日の終わりに、ぽっかり浮かんでいる月を羨む少女に、月は、こう見えてもいろいろなことをしているんだと語りかけます。もしきみが月だったら…バレリーナのように回ったり、海と綱引きしたり…小さい子でも楽しみながら月について学ぶことができる絵本です。
お月さま自身が月の動きなどの月の特徴を教えてくれます。
この絵本、ひめくらいの小さな子には大きな文字で擬人化を使いメルヘンチックな文章を、もっと現実的なにーさんのような小学生にはきちんとした説明書きが少し小さい文字で書いてあり、楽しみ方を選ぶことができます。
例えば、物語中にバレリーナのようにくるくる回ると書いてあるページに、少し小さな文字で月の自転に関する説明が書かれているのです。
まだまだ夢のある子どもの気持ちに寄り添った工夫が嬉しい絵本です。
説明の方も、子どもが読んでもわかる、わかりやすい表現でとても親切です。
我が家では、私は大きな文字だけ読み上げ、にーさんにはページを開いている間に説明を黙読してもらいました。
にーさんは最後にボソリと「もうほとんど知ってたし」と。
ひめは、海と綱引きするところで、「ほんとにしてるの??」とびっくりしていました。
「綱はないんだけどね」と言うと、キョトンとしていました。簡単な説明で伝えるのはなかなか難しいです。
私は、優しいお月さまの表情や、夜空や月明かりの感じなど、絵が可愛くてとても好きでした。
ちびは「おつきさま!」と大好きなお月さまを見つけて指差しては去っていき、また通りすがりに「おつきさまいた!」と言っては去っていき…。(ずっとは見続けられず)
こうして月目線でまとめてもらうと、月に親しみを感じ、ちびのように月を探して空を見上げたくなります。
月と地球の関係の深さとその奇跡を感じ、日常の細々とした悩みなど、吹っ飛んでしまうかもしれません。
皆さんもぜひ。
- 作者: ローラ・パーディサラス,ジェイミーキム,Laura Purdie Salas,Jaime Kim,木坂涼
- 出版社/メーカー: 光村教育図書
- 発売日: 2017/09/01
- メディア: 大型本
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