探究心を育む絵本「あめがふるときちょうちょうはどこへ」
こんにちは。
今週はなんだか体が重いくるみです。
にーさんは小学校5年生ですが、勉強が難しくなるにつれて、だんだん科目の好き嫌いが出てきました。
幼い頃、幼稚園バスで先生に計算問題を出してもらって喜んで帰ってきたり、科学の絵本が好きだったので、てっきり理系の教科が好きなのかと思っていたのですが、「理科は嫌い」と一蹴されました。
社会が好きらしいです。
逆に、小学校に入るまで足し算もほとんどできなかったひめですが、日々の会話から、理科が好きになるかもしれないな、と思うことがたびたびあります。
「(湯気を見て)わぁ、すごいいっぱい白くなってる!どうして?」
「(トマトを切って)こうやって切るといつもの切り方と違う模様になるんだね。」
「(マステを使いながら)どうしてくっつくんだろう?」
身の周りの不思議について考えたり、不思議だと思う気持ちが強いです。
にーさんは新しい知識を得るのが好きで、ひめは知らないことを体験することが好きなようです。
私自身は悩みに悩んで理系に進みましたが、どちらかというとにーさんタイプで、理系にはそれほど向いてなかったような気がしています。
理系の研究では、「どうなっているんだろう?」「見てみたい!」「こうやったらどうかな?」という気持ちを持続することこそが1番大切なのではないかと個人的には思います。
答えを探す過程も楽しめる人が向いているのではないでしょうか。
ひめはまさにその過程を楽しめる気がします。(若干飽きっぽくもありますが)
そこで、そんなひめを思い浮かべて選んだ絵本が今日紹介する絵本です。
静かな探求心
ポツポツポツン。雨が降ってきたら皆さんは傘をさしますね。でもミツバチやウサギやアヒルはどうするのでしょう。やさしい翅をした蝶々はどこへいくのでしょう。様々な動物に想いを巡らせ、静かに語りかけ、なぜと思う心に寄り添うような絵本です。
蝶はひらひらと薄い翅を羽ばたかせて飛びます。
その翅はとても心もとなく見えます。
雨で濡れてしまったら、どうなるのでしょう。
題名が示すように、この疑問から始まります。
そして、他の動物は雨の時どうするのだろう、と考えていきます。
この絵本のステキなところは、穏やかで優しく語りかける口調と、科学的な内容の絵本なのに何も難しいことを言わないところ、結論を言わないところだと思います。
まあ逆を言えば、真相を知りたい人にとっては物足りない本、とも言えます。
新しいことは何も教えてくれません(笑)
でもそこがいいなと思って読みました。
疑問を共有している感じがするのです。
確かに、蝶はどうしているんだろう、今度見てみようかな、という気持ちが湧いてきます。
それこそが正に科学の入口だと思います。
ひめは静かに聞いていましたが、最後まで聞いて「教えてくれないんだぁ」と驚いていました。
いつか自分で発見してみてね。
最近ウサギにはまっているちびは「うさぎさんいるかな。」「いたぁ!!」と、うさぎのページで盛り上がり、お話自体は聞いてるんだか聞いていないんだか。
3歳には少し難しいかもしれません。
あまり色彩のない絵は、雨の情景を映してるようで美しいです。
また、文章の柔らかい雰囲気がとても好きでした。
昔の絵本の言葉って少し馴染みのない言葉があったりもするけれど、趣きがあっていいですね。
背筋が伸びる感じがして、自然にゆっくりと発音できます。なんでなんでしょう…
皆さまも是非。
あめがふるときちょうちょうはどこへ (世界の絵本ライブラリー)
- 作者: メイ・ゲアリック,レナード・ワイスガード,岡部うた子
- 出版社/メーカー: 金の星社
- 発売日: 1974/08
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (7件) を見る