人間味溢れる猫の話「ブチョロビッチョロはどこ?」
こんにちは。
「カレーの匂いがする」と言うちびに「鼻がいいね~」と言うと、「みて!あながあいてるからね」とドヤ顔で鼻の穴を見せられたくるみです。
坐骨神経痛を改善するために、早朝、近所を歩いているのですが、驚くのが猫の多さです。
同じルートを歩いていると、不思議とほとんど同じ場所で同じ猫に会います。
太った猫、細い猫、白いの、ぶちの、真っ黒の…
猫もいろいろいますが、ほとんどの猫がとる行動は同じ。
さっと離れて、家々の敷地に潜り込み、そこから、私が自分の視界を離れるまで、警戒心剥き出しに、じーっと睨みます。
野生を感じます。
犬派か猫派かと言われるとどちらかというと犬派の私ですが、あの背中のカーブと警戒心がワイルドでしなやかでかっこいいなぁと思います。
さて。
今日の絵本は飼い猫の楽しいお話です。
「きらい」だけど…
チコちゃんはねこを飼っています。ブチョロビッチョロという名前です。けれど、ブチョロビッチョロはチコちゃんがきらいでした。同じご飯にうんざりし、遊びに付き合わされるのもいい迷惑。とうとうある日、ブチョロビッチョロはチコちゃんの家を出ることにしました。ネーミングやチコちゃんのキャラクターも面白い、ユーモア溢れる絵本です。
題名から「ブチョロビッチョロ」ですから、子どもを惹きつけないわけがありません。
そして、ぼーっと生きてんじゃねーよでお馴染みのおかっぱ頭のチコちゃんと同じ名前で、髪型もおかっぱのチコちゃん登場。
最初から大興奮の子供たちです。
ひめ「ブチョロビッチョロって名前なの?」
ちび「ブトロットロ…?」
ひめ「チコちゃんってあのチコちゃん?」
ちび「こわいやつだ!」(ちびはぼーっと生きてんじゃねぇよと言う時のチコちゃんの顔がこわいらしいのです)
「すき」「なかよし」「いつもいっしょ」などという設定は数あれど、最初にばっさりと「きらいでした」と言ってしまうのも面白く、嫌がる猫の表情もいい味出してます。
思わず繰り返したくなるニャンコロビッチという名前の猫も出てきて、物語は楽しく展開し、終わりを迎えます。
そして読後には温かいものが残ります。
ブチョロビッチョロは本当にチコちゃんが「きらい」なのでしょうか?
「きらい」だけど憎めない。
「きらい」だけど愛着がある。
「きらい」だけどいないと寂しい。
そんな不可解な気持ちってありますよね。
押され続けていたのに急に引かれると、ちょっと待って!となる気持ちもわかるなぁ。
そんな風にブチョロビッチョロの心の動きに人間らしさを感じて、面白かったです。(猫だけど)
ひめは、「なんでそんな長い名前付けたのかな」「チコちゃんがつけたの?」「変な名前ばっかり」と名前について、何度もコメントしていました。
小学校低学年も十分楽しめると思います。
とても楽しい絵本です。