自分の名前で悩んだら読んでみて「わたしドーナツこ」
こんにちは。
子供たちの風邪、喘息、中耳炎、インフルエンザ疑惑…で余裕を失っていたくるみです。
時間がなかったわけじゃない。余裕がないと気持ちが切り替えられず、文章を書けない自分。根性と能力が足りない…少し落ち込みます。
さて。
みなさんは自分の名前、気に入っていますか?
「自分のものなのに他人の方がよく使うもの、なぁんだ?」
となぞなぞにもあるように、人に呼ばれることが大きな役目である名前。
愛を持ってたくさんの人に呼んでもらえますように、と親が付けてくれるたった1つの大切な名前。
けれど、子どもの頃は名前をネタにからかわれることも多いですよね。
軽い気持ちで言葉遊びのように悪口に使われることもしばしば。
親としては自分が付けた名前で子供が嫌な思いをするのは心が痛いです。
では、どんな名前なら、からかわれないのだろう…と考えてもわかりません。
どんな名前でもからかいの対象にはなり得ます。
凶悪犯や人気アイドルと同じ名前になるかもしれないし、何が起こるか未来はわかりません。
そもそも名字は簡単に変えられないわけだし。
それに、からかわれないようになんて、ネガティブな理由で名付けもしたくありませんよね。
からかわれるのなんて気にしないで自信を持って生きて行けば、名前の方が付いてきます。
ミュージシャンの名前なども、どんなに変わった名前でも音楽を認められれば、名前もかっこよく感じられるもの。
うん、でもそうは言ってもね。
子どもにとっては大問題なんですよね。
今日の絵本は、名前で悩む女の子のお話です。
1人じゃできないことも…
ドーナツ屋の一人娘どうなつこ。名前をからかわれるのが嫌で学校へ行くのが憂鬱で仕方ありません。「学校に行くくらいなら、本物のドーナツになって食べられてしまったほうがましよ。」と思ったなつこ。次の日起きると大変なことに!!ポップな絵と楽しいストーリーで子供の心情を描いた絵本です。
なつこは自分の名前について悩みます。
だって、本名が「どうなつこ」=「ドーナツこ」なんです!
ドーナツ屋の娘、どう なつこ。
親も思い切ったな、という名付けです。
なつこはからかわれるのを恐れ、学校に行くのを嫌がります。
もう自分なんて食べられていなくなってしまいたい!と思うくらい悩むのです。
子供の頃ってそうですよね。
大人になれば笑い飛ばせることも、とても大きなこととして迫ってきて、追い込まれていきます。
逃げる手段も知らないので、生きるか死ぬかの極論になりがちです。
なつこの心配はさらなる不運を呼ぶのですが、それでもなつこは学校に行きます。
行かないという選択肢はなかなか選べないのです。
そこまで読んで、同じ親としては切なさでいっぱいです。
なつこが親に相談できない歯がゆさ。
ドーナツ屋を営むくらいだからきっと両親はドーナツを愛し、誇りを持っているのでしょう。
なつこの名前も愛情を持って付けたのでしょう。
なつこが自分の名前を疎ましく思うことは、名前を付けてくれた親に抗議すること。
まあ、名前に限らず、こういうことってあるよなぁ、と思うのです。
親が良かれと思ってしたことが、子供の悩みにつながるようなこと。
親の愛情が子供にとって、必ずしも良い方向に働くとは限りませんよね。
さてさて、そんな「どうなつこ」ちゃん。
学校に行って、恐れていた通り、からかわれるのです…
ところが…
ひとりでは負けちゃうことも誰か1人仲間がいるだけで、勇気が出る不思議。
ホッとし、勇気をもらえる展開は現実にも有り得そうで、生きるヒントをもらえ、明るい未来を感じます。
ひめはドキドキハラハラしながらストーリーを楽しみ、ちびもたくさん出てくるドーナツの絵を喜んで眺めていました。
明るいポップな絵のおかげで、からかわれる場面も暗い気持ちにはならず、楽しく読めます。
大人でさえ、キラキラネームなど、異質と感じるものを揶揄したり、偏見で決めつけたり。
外からの攻撃にも負けず、どうなつこちゃんが「名前すぐ覚えてもらえてラッキー」なんて笑いながらドーナツも名前も大好きに育って欲しいな、と思う私です。
中身とは関係ないような、意外と中身を表しているような、名前という特別なもの。
自分の名前も人の名前も大切に扱いたいですね。