まるでショートムービー「ZOOM」
こんにちは。
ここ数年この時期に目が痒く鼻水が止まらない日があり、風邪だと言い張っていたのが、今年はいよいよ毎日辛く、現実を受け入れなければと思うのですが、それでも認めたくないくるみです。
小さい頃読んだ絵本を覚えていますか?
私は定番の日本の昔話やグリム童話を読んでもらった記憶があります。
ストーリーがあって、絵があって…、といういわゆる普通の絵本しか記憶にはありません。
仕掛け絵本、絵探し絵本、科学の絵本、写真集のような絵本、言葉遊びの絵本…たくさんあるというのに。
母のセンスなのか、ここ30年で絵本が進化したせいか、私の記憶がいい加減なのか。
子供が産まれて絵本を手にとるようになり、一口に絵本と言っても、本当にいろいろなジャンルがあることに驚いているのですが、今日の絵本も衝撃を受けた絵本です。
ズームアウトしていく視点
始まりは ニワトリのトサカ。ページをめくると少し離れたところにズームアウトしてニワトリの顔が現れます。ページをめくってさらにズームアウト。今度はニワトリを見ている子供の姿が。サプライズもありつつ、どんどんズームアウトしていき、ついには地球を飛び出します。自由なまなざしの冒険へいざ。
この絵本、左ページはずっと真っ黒で右ページだけに絵があります。そして、字は全くありません。
この時点でもうただ者じゃないぞ、という感じ。
読み聞かせというより、めくり見せ、です。
子供たちも最初は何だ何だ、という雰囲気。
けれど、わかってくると、もう次のページが見たくてたまらない。
理屈屋のにーさんは「残りのページ数からするとこれもまだ…」などとブツブツ言いつつ、ワクワクして見ていました。
私は、ズームアウトしていく世界と 漆黒の左ページのせいか、望遠鏡を覗いている気分だったのですが、最後まで読んでみるとドローンが頭に浮かんできました。
ドローンがどんどん空へ上がっていき、最後は宇宙へ飛び出していく。
まるでショートムービーのようです。
実際は宇宙に飛び出せるこんなドローンなんてまだ存在しないと思うので、絵本だからこその演出です。
これがドローンもなかった頃に作られた絵本だなんて、本当に人間の想像力に感動させられます。
さらに、この絵本、最後から逆に読んでズームインしていくと、また違った感覚が味わえます。
引いた視点と寄った視点。
日常でもふと思い出して、想像のドローンを飛ばせるようになります。
大人にもおすすめの1冊です。
- 作者: イシュトバンバンニャイ,Istvan Banyai
- 出版社/メーカー: ブッキング
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 単行本
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