家族の家族による家族のためのごはん「14ひきのあさごはん」
こんにちは。
自分でご飯を作らないでも良かった帰省から、なかなか通常運転できないくるみです。
1日3食作るのって本当に気力のいる仕事です。朝ごはん終わればあっという間に昼ごはん…夜は何にしようか…心休まるヒマがありません。
パックされた魚や肉、形の揃ったきれいな野菜。季節外れの野菜や異国の野菜。そして工場で作られた美味しい加工食品や調味料。
買ってきて、保存して、栄養バランスを考えて、電気やガスの力を借りて調理して、3食決まった時間に食べる。
そんな毎日が当たり前の私ですが、ふと、一体どうしてこんな食事が当たり前になっているんだろう、と思う時があります。
ごはんを作るためにどこかに収穫に出かけ、自分の手で獲得したものを調理して家族で分け合って食べる。そんな経験を一度だってしたことがないのです。
それはもちろん文明が進み、人類が分業の道を歩み、私は農家でも漁師でもないため、食物を手にできないからというだけなのですが、日々大切な何かを忘れているのではないかという不安感があるのは私だけでしょうか。
今日の絵本の中に登場するのは、ねずみたちの地に足の付いた美味しそうな朝ごはんです。
賑やかな話し声まで聞こえてきそう
森の朝。14ひきのねずみの家族にも朝がきました。早起き一番はおじいさん。次々家族も起きてきて、野いちご摘んで、ドングリのパンときのこのスープもできたら、みんなで一緒に朝ごはん。それぞれのキャラクターも魅力的で隅々まで楽しい絵本です。
まずは、表紙で家族を確認。
生まれた順の数字に因んだ名前を1から順番に追うと、「ちゃんと14ひきだ」とぼそっとにーさん。
「小さい子もいるね〜すごい子ども多い!」とひめ。
もうこれだけで楽しい予感の絵本です。
そして、朝の様子。
朝がきてもなかなか起きないひめのような子。
にーさんのように朝からしゃきっと寝起きのいい子。
まだ半分寝ている子。
立体的なお家の中を覗いている気分になれちゃいます。
14ひきそれぞれのキャラクターも魅力的です。
いろんなところでそれぞれが違うことをしています。
お話もそんな細かい所に目を向けさせるように誘導してくれるような内容で(「まだねむたそうなのはだれ?」など)、子供たちはすっかり夢中で探していました。
そして表紙にもどって名前を確認して、満足、という流れで最後まで進んでいきました。
それぞれが係に分かれ朝食の準備をしていくのですが、野いちご摘みの途中で変な帽子かぶっちゃったり、歩いていた小さい子がおんぶされていたり、とにかく見ていて飽きません。
朝ごはんのシーンでもコップを倒したり、いろいろやらかしています。
そんな描写のおかげで、朝ごはんの食器の音や楽しい話し声まで聞こえてきそうな気がします。
小さい子からお年寄りまで家族で力を合わせて、自分たちが生きるための食事を用意し、皆で食べること。
そういう経験を一度でもいいから体験したいなぁと思った私ですが、情けないことに虫が大の苦手で家庭菜園さえもままならないのでした(汗)。
せめて、なるべく土地の物を旬の時期にいただくことと、作って下さった方や簡単に手に入る文明の進歩に感謝しながらいただきたいと思った次第です。
何度も楽しめる可愛いシリーズです。