子供に必要以上に怒ってしまった日にもおすすめ「かいじゅうたちのいるところ」
こんにちは。
台風の次は地震…日本各地で災害が続く中、なぜだか免れている東京は、嵐の前の静けさではないかと不吉な予感がしてしまうくるみです。
何もできない不甲斐なさと普通の暮らしをしている罪悪感、明日来るかもしれない災害への不安の中でできることは、大した額でもない募金と、防災対策を見直すこと、そして感謝を持って1日1日過ごすことくらいでしょうか…
それなのに、そんなことを思ったのも束の間、10歳児の反抗や2歳児のわがままにイライラして過ごしてしまった1日。自分の器の小ささに嫌気が差します。明日は主人も休み。少しでも感謝を持って穏やかに笑顔で過ごしたいです。
そう、気が付けば毎日1回は、注意のレベルではなく、子供を叱りつけている私。
怒っているのではなく叱っているつもりなのですが、時々それも怪しくなります。
穏やかに理由を説き、注意することからスタートしているのですが、口答え(にーさん)、すぐ忘れてしまう(ひめ)、通じない(ちび)という反撃を受けてだんだんとイライラが増し、威圧的な口調でどなることもしばしば。
そして、時間が経って振り返った時、そもそもそんなに怒ることだったかな、と反省するのです。
子供の頃、私は場の空気を読む子で、あまり怒られない子供だったのですが、怒られた時は上手く謝ることができず、長引かせてしまった記憶があります。
途中から何について怒られていたかもよくわからなくなり、とりあえず許してもらうことが目的になってしまい、反省している態度にはなかなかつながらず、ドツボにはまり、最終的に思うことは「お母さんは私が嫌いなんだ」ということでした。
いじけながら見つめる視線の中でキッチンに立つ母の後ろ姿が記憶にあります。
親の気持ちも経験した今ならあの頃の母の気持ちもわかります。
なんで、何でもかんでも自己否定に飛躍してしてしまったんだろう。今考えるとよくわかりません。
子供の思考回路は大人になるとわかってあげられないのでしょうか(私の記憶力が弱いから?)。
まだ未成熟で自分のことしか考えられないからか。親という存在が世界の大半を占めていたからかな。
にーさんが私と同じように、1つの事象について注意されたのではなく、自分を否定されたと思ってしまう傾向があるので、今までもどうすれば上手く伝わるのかを模索してきました。
あの頃の私に聞いてみたい。どう言って欲しかったんだろう。
今日の絵本は1つの親子の理想形を示してくれます。
近いから衝突するけれど、お互い距離を置いてまた許せることが家族なんだな、と思える絵本です。
マックスの冒険と帰還
いたずらっこのマックスは、おおかみのぬいぐるみを着て大暴れ。怒ったおかあさんに夕飯抜きでほうり込まれた寝室が、いつの間にか森や野原になり、ボートに乗って着いたところはかいじゅうたちのいるところ。かいじゅうたちと過ごしたマックスがもどってくるとそこには…子供の想像力の壮大さとお母さんの愛情の温かさを堪能できる1冊です。
この絵本、ずっとうちにあったのですが、ひめが怪獣の絵を恐がって読めなかったのです。
それがなぜか、気が変わり読んで欲しいということで読みました。
確かにこの怪獣たち、大きいし、奇妙な黄色い目、爪も歯も尖っているし、ウロコがあったり、角があったり、トサカがあったり。
恐いと思うのも無理はないな、と思うのです。
でも、マックスと一緒に踊ったり木にぶら下がったりする姿を見ているうちにいつのまにか、なんだか愛嬌ある可愛い姿に見えてきちゃうのです。
怒られて入れられた寝室で、想像の冒険の中、王様になっちゃうオレ様感いい、すっかり楽しんじゃっているマックスは全然反省していないように見えます。
けれど、そんな冒険もやがて飽き、少し寂しくなり…
子供の豊かな想像力、無邪気さ、未熟さを思い知らされるとともに、大人になると忘れてしまう子供の世界を垣間見た気持ちになります。
そして、最後のページ。
絵のない白いページにぽつんと1行。
今回読んでその1行に鳥肌が立ちました。
いつでもおかえりと言ってくれる母親の存在。
どんなに暴れて怒られても待っていてくれる人がいるという安心感。
そんな存在になりたいです。
お母さんに嫌われているなんて思わせてはやっぱり良くないのだと、その子に合った方法で愛情を伝える努力をしなければと思いました。
子供たちはというと、怪獣たちと過ごす字のないページが楽しかったようで、食い入るようにとても真剣に見ていました。
ジャングルの匂いがしてきそうな躍動感を感じるページです。
特に男の子は気に入る子が多いのではないでしょうか。
必要以上に怒ってしまった日にもおすすめの1冊です。
- 作者: モーリス・センダック,じんぐうてるお,Maurice Sendak
- 出版社/メーカー: 冨山房
- 発売日: 1975/12/05
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