上の子の気持ちがわかる「フランシスのいえで」
こんにちは。
もうすぐ卒園式。ひめの卒園が淋しくて仕方ないくるみです。
あまのじゃくでこだわり屋のにーさんの4年後に産まれたひめは、素直で天真爛漫。
浮き沈みがあまりなく、だいたいいつもご機嫌で、沈みやすい私を癒やしてくれました。
ちびが産まれてもそれほど心乱すことなく、家族として受け入れ、可愛がってくれています。
たまに嫌なこと、辛いことがあるとメソメソ泣きます。
嫌なことはいくら励ましても、なだめても、やりたがらない頑固さはあるものの、メソメソ泣くのが可愛くて、付き合ってあげたくなります。
(にーさんは嫌なことがあると当たり散らすタイプです…)
自分はどうだったかな、と思い返してみると、自分の殻に閉じこもるタイプだったと思います。(小学校の記憶しかありませんが)
嫌なことがあると、誰とも口を聞かない、食事もボイコット、布団をかぶっている、という…。
心配して話を聞きにきてくれた親にも「話したくない」と言っちゃうような…
可愛くないな、と思います。
しかし、三つ子の魂百までとはよく言ったもので、今も同じようなものです。
何でも溜め込む根暗です(笑)
今になって思うのは、不満や辛さを感じたら、可愛く訴える、というのが1番助けたくなる表現方法だということです。
いや、そんなことは前から知っていたかもしれません。
知っていてもなかなかできないのです。
それが天性でできるひめが羨ましく、このまま変わらないで欲しいなぁ、と思います。
今日の絵本のフランシスの表現方法もなかなかです。
こんな家出だったらして欲しい
フランシスの妹グローリアはまだ赤ちゃん。
グローリアのおかげで、フランシスの生活は思うようにいかなくなりました。
着たい服は着られないし、食べたい干しぶどうは食べられない。
もう家出しちゃおうと思い立ったフランシスでしたが…
家族の温かい会話が心に残る1冊です。
赤ちゃんは手がかかる。
お母さんだって精いっぱいやっているんだから文句は言ってはいけないけれど。
赤ちゃんをたくさん可愛がる素敵なお姉ちゃんでいたいのだけれど。
下の子が産まれた上の子はみんな葛藤を抱えます。
甘えたいけど、しっかりもしたい。
褒められたいけれど、淋しくて泣きたい。
その葛藤がどう表に出るのかはその子その子によって違うのでしょう。
フランシスの場合。
少しの文句も言いつつ、いじけつつ、わかりやすく家出してアピール作戦です。
その家出先がダイニングテーブルの下という可愛いさ!
心配をかけたくない優しさか、外に出る勇気がないのか、リビングから姿を消すことを家出と呼んでいるのか、とにかく絶妙の選択なのです。
リビングにいるお父さんお母さんはもちろんフランシスが聞いているとは知りつつも、フランシスが本当にいなくなったつもりで会話を始めます。
そのユーモアと優しさに溢れた会話に、胸が熱くなってきます。
そして、不器用で、フランシスのように可愛く表現できない子(例えばにーさんや私のように)も、こんな風にただ存在を慈しみ可愛がっていると示して欲しいんだと思い至り、なんだか涙が出そうになりました。
優しいタッチで淡い色遣いの絵が可愛く、「テーブルの下の家出」が面白かったらしく、ひめはとても気にいっていました。
わりと長い文章で、読み終えるのは大変だったのですが、そんな長い間集中して聞けるようになったひめの成長も卒園と重なり、感慨深かったです。
兄弟を育てている方には間違いなく響くところがある、とてもおすすめの絵本です。
可愛いので、もちろん、一人っ子でも子供がいなくても、おすすめです!