想像力を大切に「8月6日のこと」
こんにちは。
暑さと子供たちの騒がしさで発狂してしまいそうなくるみです。
今日は8月6日ですね。
私が子供の頃は、毎年この時期に"火垂るの墓"をテレビで放送していたような気がしますが、今はどうなんでしょう?
観終わった幼い私は怖くて悲しくて、二度と観たくないと思いました。
(それでもなぜだか3回くらいは観てるような…)
今でもサクマドロップスの缶を見るとハッとします。
戦後74年。
だんだん戦争を体験した方から直接話を聞くことができなくなってしまいますね。
歴史の教科書に載っている遠い出来事という感覚でしか戦争を捉えることができなくなってしまいます。
世界中が平和になって遠い出来事になるのならこんなに嬉しいことはありませんが、現実には世界では戦争はなくならず、人と人との間でも争いは日々起こっています。
戦争が繰り返されてしまうのはなぜなのでしょう。
人にはもともと自分さえ良いと思ったり他を攻撃することで快感を得る心があるから?
話が通じない利己的な人や国を懲らしめるため?
戦争で需要や雇用が増えて助かる人がいるから?
戦争と関係のない国の人が無関心だから?
戦争やいじめをなくすいい方法を思いつくことができないから?
…
いろいろ考えてしまうと難し過ぎて、戦争も避けられないことなのかもしれない、という気がしてきます。
"戦争は良くないこと”という前提が薄れ、ある意味においては戦争は有効で、仕方のないことなのだ、と。
戦争以外に方法がない。
戦わないで自分達だけ平和でいられるわけがない。
自分の国を守るため、正義のために戦おう。
簡単にそんな心理になるのは怖いことです。
どんな理由があったとしても戦争は良くないこと、です。
やってはいけないのです。
私は、なにはともあれ"戦争は良くないこと”という認識はだけは堅く持っていたいし、子供たちにも持ってもらいたいと思います。
では、そもそも、どうして良くないことなのか…
絵本を読んでみましょう。
どんなきもちだったでしょう
おかあさんのおにいさんは広島で衛兵をしていました。おかあさんは列車に乗っておにいさんに食べ物を差し入れしにいっていました。しかし、8月6日がきて…穏やかな瀬戸内海の島で生まれたおかあさんが本当に体験したお話です。
8月6日は毎年とても暑いです。
そんな夏の日の青い空を思い出させるような水色の表紙が印象的です。
この本の主人公は16才だった作者のおかあさん。
お腹を空かせているお兄さん(作者のおじさん)のために電車で差し入れを持っていきます。
妹が持ってきてくれた差し入れを、上官に見つからないように隠しながら食べるお兄さんの姿にリアリティを感じます。
そして8月6日がきて…
暗い色を使って描かれたページは倒れている人もヒト型に粗く描かれていて、細かい絵ではないので、子供にも安心して読めます。
けれど、粗いことを抜かせば恐らく本当の光景もこんな感じの色彩だったのではないか、と思います。
混沌と暗い色です。
ちびは「こわい!」と言って逃げていきました。
子供ながらに何かを感じとったのでしょう。
この光景を実際に目にした小さい子はどんな気持ちだったのでしょう。
この絵本の中にも同じような問いかけがあります。
おかあさんはどんなきもちだったでしょう
戦争が良くない理由は、もう、これに尽きると思います。
想像力を働かせろ、ということです。
そして、これは戦争という大それたことでなくても同じことです。
個人と個人でも。
"どんなきもちだったでしょう”
と問いかけながら自分の行動を省みること。
想像力を養っておくこと。
無意識で想像できるくらいに習慣化すること。
怒りなどに負けそうになることも多いですが、このことをいつも忘れないようにしようと思った8月6日でした。