転がるのって楽しい!「りんごりんごろりんごろりん」
こんにちは。
最近ひらがなを覚えたちびは、お手紙を書きたがります。
知っている文字を書き並べて、紙を折り、「さいごにトッピングしよ」と言いながらシールを貼って家族に配ります。
手紙にシールをトッピングかぁ、とちびの言葉の遣い方に注目してしまうくるみです。
休校期間に、私の両親と1日1回ビデオ通話を始めました。
その習慣が今も続いています。
ひめは笑い上戸で、先日も母とのやり取りで、笑いが止まらなくなり、2人でしばらく笑い転げていました。
思えば、「笑い転げる」という言葉は、その状態をとてもよく表しています。
実際には転げてはないけれど、コロコロ転がっているように笑うという動きのある言葉。
「箸が転んでもおかしい年頃」という言葉もあるけれど、「笑う」と「転ぶ」には何か強いつながりがあるのでしょうか。
そんなことを思ったのは、転がる絵本に対する子どもたちの反応が想像以上にいいからなのです。必ず笑います。
昔話のおむすびころりんも、すっとんとん、となんだか愉快ですよね。
そんな少し昔話の雰囲気もある、転がるのが楽しい今日の絵本です。
ごろごろ転がりころころ笑う
山の中でリンゴに座るひよどり。そこにもう一羽のひよどりが来てリンゴを争っていると、今度はリンゴをねらってサルが来ます。ところがこちらも仲間と大げんか。そのすきに横取りしたカラスの口に、リンゴはすっぽりはまってしまい…。リンゴには興味のない森の動物たちまで巻き込んで、リンゴと一緒に大移動。動物たちの様子がとても楽しい絵本です。
あるひ どこかの やまのなか
だれかが くれた りんごに すわり
いねむりしている ひよどり いちわ
なんて のどかな ひるさがり
と始まる絵本。
ずっとこの調子でリズムよい文章が続きます。
出てくる動物が、日本の里山をイメージさせるためか、どこか昔話を聞いているようなノスタルジーを感じます。
1つのりんごを小動物が取り合っていると、なんだなんだと集まってくる動物たちの様子が愉快です。
うさぎが出てきたところで、ちびはもううさぎにくぎ付け。
「うさぎさん、どこ?」「うさぎさん、だいじょうぶ?」「うさぎさん、りんごたべて、はいどうぞ」とページをめくるたびにうさぎの安否確認とケアを怠りません。
さて、ここから少しネタバレにもなってしまうのですが…
この絵本の一番の山場は何と言っても動物たちの転がる様子。
くまは ごんごろ しかごろりん
うさぎ こんころ さるころりん
からす くるくる ひよくるりん
とあるように、登場する動物たちが丸くなって転がっていきます。
キャハキャハ笑うわが子たち。
これってうちだけなんでしょうか??
転がる描写はいつも大笑いです。
私もこの部分がとても好きなのですが、それはこの文章。
日本語のオノマトペは日本語が母国語でない方には難しいという話をよく聞きますが、この3行だけでも、オノマトペの醍醐味が詰まっています。
「ごんごろ」と「こんころ」は「ごろごろ」や「ころころ」と転がり方が少し違う。
空中で舞う様子の「くるくる」や「くるりん」の軽やかさ。
転がり方や、転がる物の大きさまでが、頭に浮かぶ オノマトペの豊かさを感じます。
さらにこの絵本では動物の名前や「りんご」が言葉に組み込まれていて楽しく、大好きになってしまいました。
さて、りんごは結局どうなったのでしょう?
読んで確かめてみて下さい。
最後のページのさるの顔がとても可愛いです。