年をとっても何でもできる「エマおばあちゃん」
こんにちは。
もうすぐ敬老の日ですね。
老を敬うと書いて敬老。
敬うに値する年をとり方をしたいと思うくるみです。
私の両親も年をとり、今では紛れもなくお年寄りと呼ばれる年になりました。
親孝行には、子どもである私や、孫の笑顔を見せるのが1番、と思いつつ、今年はコロナの脅威に負けて、なかなか会うことができずにいます。
とはいえ、頻繁に会えばいいというものではないらしく、「孫は2度喜ばす」とも言われているようです。
1回目︰会えて嬉しい!
2回目︰帰ってくれて嬉しい!
と…
いくら孫が可愛くても、ずっと一緒にいるのは疲れますよね。
わかります、私だって毎日疲れるのだもの…。
四半世紀先に産まれた体で孫のパワーを受け止めて、疲れないはずがないですよね。
幼稚園のママの中で年配になってきた私は、毎日自転車の送迎でヒイヒイ言っています。
この暑さの中、片道10分を毎日2往復している私、それだけで十分頑張ってる!と甘い自己評価に酔いしれていたのですが…
先日、孫2人を自転車に乗せて送迎する(1人は未就園児)おばあちゃんに遭遇しました。
しかも、クラスが違う、全く知らない私にも「おはようございます!」と元気よく挨拶してくれます。
なんて、すごいんだ!
元気よし、機嫌よし!
私よりふた回りは年上なはずなのに、この暑い中、2人連れてきての、爽やかな挨拶。
おそらくこの後、家に帰れば未就園児の孫の相手と家事が待っているのに。
頭が下がる思いです。
さて、私の母はというと、いつも行っていたジムもフルートのレッスンも、コロナ渦で参加できなくなってしまい、なんだか元気がなさそうです。
年齢を思うと、行っても大丈夫だよと安易には言えないし。
家で完結できることを楽しめればいいのだけれど。
何をするにもあまり楽しくないと後ろ向きです。
40の私も身体の衰えを感じ始めているのだから、さらに年齢を重ねると、きっと身体も重くなるし、頭の回転も遅くなるし、趣味や楽しいことをしていても今までのようにいかない苛立ちとかもあるのでしょう。
でも、始めるのに遅すぎることなんてない、とも言うわけだし。
母が何か楽しめることがあるといいなと思う最近です。
そんな今日は、新しいことを始めた72歳のおばあちゃんのお話です。
年をとっても、やりたいことをやる
「あたしの覚えている通りのふるさとの絵を描こう」72歳になったエマおばあちゃんは決心しました。1人で暮らすおばあちゃんが見つけたささやかな楽しみ。明るい色彩、のびのびした構図、エマおばあちゃんの温かさが伝わってくる絵本です。
エマおばあちゃんは、しましまねこと暮らしています。
4人の子ども、7人の孫、14人のひ孫がいて、時々会いにきてくれるけれど、普段はひとりぼっち。さびしいなと思うこともありました。
それでも、ささやかに、のんびりとした暮らしを楽しんでいます。
そんなおばあちゃんが、72歳のお誕生日のお祝いにふるさとの絵をもらいます。
けれども、その絵は自分の覚えているふるさととは違う、と感じるおばあちゃん。
その気持ちは日に日に強くなり、とうとう、自分自身でふるさとの絵を描こうと決心します。
そこからは、描いて描いて描きまくるエマおばあちゃんの新しい毎日が始まります。
絵を描くのが好きなひめは、おばあちゃんがとてもたくさん描いているところが気に入ったようでした。
「すごい、たくさんしまってるんだね!」「壁にもいっぱい!」と興奮していました。
私はエマおばあちゃんの絵が、明るくて、おしゃれで、人物画や自然や物などバラエティに富んでいて、とてもすてきだなぁと思いました。
もちろん、作者のクーニーさんの絵なのだけれど、本当にエマおばあちゃんが描いた気がするから不思議です。
私はまだ若い頃、72歳と聞けば、もう老人で、70も80もそれほど変わらないように思っていました。
エマおばあちゃんの孫たちも言います。
「かわいそうに。もうお年だものね。」
だんだんと、自分の親がその世代になり、自分も少しずつ近づいてきて、72という年齢もまだまだ何でもできるような気がしています。
考えること、感じること、表現すること、今の時代は、さらにそれを世界に発信することだって可能です。
体を動かすことだってできなくはありません。
私の知り合いの女性は70を過ぎて水泳を習い、泳げるようになりました。
どんな状態だろうとも何かできることはある。
そう思えるかどうかで未来は変わる。
過去のことを考えるのではなく、未来を、今を、楽しむことを考える。
あの時これをやっておけば…といくら過去を振り返っても過去は変えられません。
変えられる時間の中で、1番早いのは今なのだから。
今、やりたいことをやる。
この絵本を母にプレゼントしたいと思いつつ、逆効果になる気もして迷っています。
(うつの人に頑張れと言うのと同じような気もして…)
ともあれ、飼いねこの名前がユニークだったり、戸棚やインテリアなどから外国の優雅な暮らしが見え、とても魅力的な絵本です。