今ある物を慈しむ心「いえ」
こんにちは。
この時期は毎年、目が痒くて、鼻もムズムズする。それでもまだ自分が花粉症ではないと信じる気持ちを捨てきれないくるみです。
でも、今年はもうダメかも…
さて。
我が家のリビングルームを見回すと、私の本、夫のトレーニングマット、にーさんのイヤホン、ひめの工作、ちびのおもちゃ…
狭い部屋に5人の物が所狭しと置かれています。
しまい切れずに出ているもの、しまっているのかわからないくらい無理やり詰め込まれた棚。
どうしてこんなに物が多いのでしょう。
にもかかわらず、だんだん温かい風を感じることが増え、新しい季節の到来に心躍り、新しい服が欲しくなる私。
スマホでスナップを見ては、あれも欲しいな、これもいいな。
新しいスニーカーも欲しいなぁ。
なんて。
ちょっと待って!
「足るを知る」生活を目指すのでした!
以前流行った「フランス人は10着しか服を持たない」を読んだり、スッキリと暮らす素敵なブロガーさんや、おしゃれに暮らすママ友の影響を受けて、「足るを知り、本当に必要なものでなければ買わない」と心に誓ったはずでした。
中学に上がるにーさんの、新生活に必要なものを揃えているうちに感覚が麻痺してきたみたいです。
ついつい新しい物に目がいってしまいます。
今のままだって十分に生活できているのに。
新しいものはどうしてこんなに輝いて見えるのでしょう。
物を買うときが、その物に対しての愛がピークという話を、聞いたことがあります。
ほんとにそうかも、と思うこともしばしば。
愛情は、すでに自分が手にしているものに使いたいのに。
今ある自分の持ち物に愛情を注ぐこと。
今の生活に満足、感謝すること。
今日はその大切さを思い出させてくれた絵本です。
いえが目をあけたよ!
散歩中に友達のオオカミくんにあったノウサギさんは、暗くて寒く、その上ドアが壊れている自分の家の代わりに空き家を探してもらうようにお願いします。オオカミさんを待つ間に家を掃除し始めたノウサギさん。自分の家が見違えるように住みやすくなり…。場面場面がよく表された絵と淡々と短い言葉で大切なことを語るノウサギさんが魅力的な絵本です。
オオカミくんを待つ間、ノウサギさんは自分の家を柔らかいきれで磨きます。金槌もペンチも使わず、ただきれいにしていきます。
うれしいな。どんどんぴかぴかになる
ドアも直り、暖かさと明るさを取り戻したノウサギさんの家。
ほーらね。いえが 目をあけたよ!
いい表現ですね。
ゆうぐれの ひかりが はいってきて、いえは にぎやかに なりました。
光をにぎやかと表現するのも素敵です。
最後に、ノウサギさんは、家のありがたさに心から感謝します。
ノウサギさんのために空き家を一生懸命探してくれたオオカミくんに、「あきやは もう いらなくなったの」とさらっと言うノウサギさん。
その少し残酷にも感じる素直さ、素朴さを持つノウサギさんだからこそ、最後の家に対する感謝の大きさが際立ってきます。
本当に心から気付いたのだろうな、と思えます。
工作の材料を散らかしているひめは、自分のことは棚に上げ、「ノウサギさん、どれだけ汚くしてたんだ~!」と笑っていました。
ちびは「うさぎさん、かわいいなぁ。おうちに1人でかわいそう。さみしくないのかなぁ」といつものようにウサギ愛が止まらない様子でした。
私は、静かな夜に優しい雨の音が聞こえてくるようなラストが大好きになりました。
このシリーズ、どれも味わい深く、心に残る内容なので、またいつか紹介したいと思います。
とてもおすすめです。