3つのたねに絵本の水を

日々思ったこと、子育てエピソードと共に、3人の子供たち(にーさん(中1)ひめ(小3)ちび(年中))に読み聞かせた絵本を1冊ずつ紹介しています。

2人の違いが楽しい「あたまのうえにとりがいますよ」

こんにちは。

今年の母の日に、ちびからもらったお手紙には「ははのひへ。きょうはすきなものつくっていいよ」と書いてありました。

母の日さんと何を作るか相談しようか、と想像してしまったくるみです。

 

さて。

にーさんとひめはそりが合わず、ケンカばかりしています。

きちきち真面目なにーさんは、ゆるゆる自由なひめの態度が気にいらないのです。

 

ついつい小言を言ってしまうにーさんの姿はまるで仲の悪い嫁姑の姑のよう。

「宿題終わってないのに遊ぶな」

「口を閉じて食べろ」

「はやくローンを払え」(あつ森です…ゲームの進め方までもに小言を言っています)

 

その細かさが、なんかイヤ…

 

たしかに、ひめは宿題し始めるのが遅い。

そして、やっている途中でも気が散り、終えるのも遅い。

注意されてもすぐ忘れ、数分後にはまた同じ注意を受ける。

親の私もイライラはするんだけど…。

 

けど、そういうことは、お母さんが言うから!

というか、あなたも宿題以外は人のこと言えないから!

 

たぶん、にーさんの目には、私が注意していても幸せそうにのほほんとしているひめが、心から理解できない異質な対象として映っているのでしょう。

 

同じ親から生まれてどうしてこんなに性格が違うのかしら…

 

 

けれど、親としては、性格が違うからこそ、お互いの足りない部分を埋め合って上手く生きていけることを夢見ています。

 

なぜって、絵本にはそんな対照的な2人が登場するお話も多いもの。

お互いのない部分を補い合って楽しくやっている様子に救いを感じます。

今日の絵本にもそんな対照的な2人が出てきます。

 

2人の違いが楽しい

しっかり者で真面目なゾウのジェラルドと、うっかりやさんでやんちゃなブタのピギー。ある日ジェラルドの頭に鳥がやってきます。1羽だった鳥が2羽になり…。鬱陶しがるジェラルドの隣で、愉快に実況してくれるピギー。2人の表情の変化も楽しい絵本です。

 

漫画のように発言が吹き出しで描かれていて、セリフだけで展開していきます。

ページ数はわりと多いですがどんどん読めます。

絵はイラスト調で、背景などもなく、会話も短いのですが、2人の動作や表情がおおげさに面白く描かれているので、どのページも楽しめます。

 

そして、ラストは絶対先に見ちゃダメです!

ラストの展開は子どもたちが楽しめること間違いなしです。

 

終始しかめ面で難しい顔をしているジェラルドと、楽しそうなピギー。

その様子が、にーさんとひめを見ているようでした。

 

いろいろな人がいて、いろいろな考え方があって、正しいか正しくないかだけで世界は回っていなくて。

分かり合えたり、分かり合えなかったり。

 

そんな中でも一緒に笑える時間もたまにはあります。

衝突ばかりを気にしていると、気分が沈んでしまう。

けれど、たまにある笑顔の時間が光となって、日常を照らしてくれているような気がします。

家の中で子どもたちの作る小さな社会を眺めてそんなことを思います。

 

そんなことはさておき、とても楽しい絵本です。