知っておくことが大事「すごいね!みんなの通学路」
こんにちは。
運動会を前に、子ども以上にソワソワしているくるみです。
サンドイッチに、おかず、野菜、フルーツ、それから食後のお楽しみのお菓子。みんなが喜んで食べられるように早く起きて準備しなくちゃ。
観戦中絶対飽きてしまうちびの気を紛らすおやつも忘れずに。
スーパーで買い出ししていると同じ幼稚園のママさんにたくさん会いました。
ああ、恵まれているなぁ、としみじみ思います。
フルーツだけでも南国のものや、旬でないものもたくさんの種類が売られていて、ハレの日には無理せず特別なご飯を用意できる。
思えば、ありがたい事に私は今まで食べ物に困ったことがありません。
決して裕福ではなかったけれど、虐待や貧困なども経験せず、自然災害にも被災していません。
けれど、子供の頃から、
「世界には食べ物に困っている子供たちもいるんだから、食べ物を粗末にしてはいけない」
と何度となく言われてきました。
子供の頃の私はそれを聞いて、教訓のある童話を聞くような気持ちでした。
「わかった。食べ物は大事なんだ。」
と言葉通りに理解していました。
想像力も思考力もあまりない子だったせいか、なぜ食べられない子がいるのだろう、とか、じゃあ自分はどうして食べられるのだろうという発想にはならず、自分は恵まれているのだから感謝しなければいけない、という感情論だけを受け取りました。
その結果、感謝しなければいけないという強迫観念だけ心に残り、ユニセフのCMなどで痩せっぽちの子を見る度に、自分が悪いことをしているような申し訳ないような気持ちになっていました。
今になって思うのは、自意識過剰にならずに、もっと前向きに冷静に世界を見る目が欲しかったなぁということです。
物事を良し悪しで判断して終わりではなく、事実を事実として受け止め、長い目で原因を考察したり、何ができるかを考えることができたらいいのに。(今でも全然できません)
どうしてこんな話になったのかというと、今日の絵本を読んで思ったことがきっかけです。
今日の絵本は世界の子どもたちの通学事情を知れる絵本です。
困難な道でも進む希望の光
世界に住む子どもたちは、どのように学校に通っているのでしょう。世界には、自然災害や、川の急流、けわしい山道、高いがけにも負けず、毎日懸命に学校へとむかう子どもたちがいます。そんな子どもたちを写した写真集のような絵本です。
日本の市街地には小学校がたくさんあります。
にーさんが通う小学校は遠い子でも15分ほど舗装された坂のない道を歩けば着くのではないでしょうか。
周囲の小学校もあっという間に着けます。
けれど、世界には困難な道のりを毎日通う子供たちがいます。
初めに読んだ時、子どもの頃と同様に、苦労もなく学校に通えるってすごいことだ、感謝しなければ、と思いました。子どもたちにも学校に行けることは当たり前じゃないことをしっかりわかって欲しいな、と。
でも、読んでいるうちに待て待て、それは違うな、と思い直しました。
子どもたちに教訓のように一律的に感じてもらいたくはありません。
そんな風に強要したらそこで思考停止、広がりません。
この本の写真の子どもたちはみんな懸命に学校に向かっています。その目は輝いているように見えます。
きっと学校で学べたりお友達と会うことの喜びが大きいのでしょう。
どんな状況でも子どもが学ぶことには希望があります。
大人だってそう。学ぶことは成長すること。
知ることからより多くのことを考えることができます。まずは知っておくこと、そしてそこから感じとったことを広げて考えることはそれぞれ自由に時間を使えばいいのです。
子どもたちには、世界には困難な道を懸命に通っている子どもたちがいるということをただ知ってもらえばいい。
困難さを不運に思うかもしれないし、危険な道をアスレチックのようだと興奮するかもしれない。
水を運ぶなら水筒を持てばいいと思うかもしれないし、自然の豊かさに惹かれるかもしれない。
どんな感じ方でもいいけれど、世界にはたくさんの状況があり、たくさんの人間がいること、自分たちの今の状況が全てではないことを知っておいて欲しいです。
そこから、自分の体験を通して、それぞれが今後ゆっくり考えていってもらえたらなと思うのです。
それにしても、鮮やかな背景や生き生きとした表情を写した写真たち。まるで写真集のようです。単純に眺めているだけで楽しいです。
言葉だけよりずっとたくさんの物を感じ、心に残るのではないでしょうか。
大人でも読み応えのある絵本です。