子どもにだいすきを伝えられる絵本「ちびゴリラのちびちび」
こんにちは。
願っていたプレゼントがもらえて嬉しそうな子供たちを見て、幸せなくるみです。
「ニンテンドースイッチなんて高価なプレゼントはサンタさんはくれないと思うよ」と言われた去年を乗り越えて、希望の玩具をもらえたわが子たち。よかった。
「みんないいなあ。サンタさんからもらえて」と冗談半分本気半分でボソボソつぶやいていたら、ひめが、
「ママのサンタさんになってあげる!」と、恋人はサンタクロース的な男前発言。
お手紙&プレゼント(手作りブレスレット)をくれました。
優しさに涙腺崩壊です。
アマノジャクも個性。ママへの愛情なんて示して貰えなくてもいいんだよ。
だけど。やっぱり嬉しいよね。
「私がママのサンタクロースになってあげる」って!!
夫に見習って欲しいくらいのセリフ。神さま、ありがとう。こんなにストレートに表現してくれる我が子がいるのは、本当にありがたいことです。
モチベーションが上がります。おかげで、来年も頑張れる気がします。
お手紙が好きなひめは普段もたくさんお手紙を書いてくれます。
お手紙の中で1番登場回数が多い言葉、それは「だいすき」です。
語彙力の無さゆえのストレートさですが、この「だいすき」が親としてはとても嬉しいものです。
人間は脳が大きいため、自分では立つこともできないまま産まれてしまうので、子供は親の養育なしには生きていけません。
なので、子供は、親を受け入れ、無条件に好きになるように遺伝子に組み込まれているのでしょう。
子供が親を好きなのは百歩譲って生きていくための下心としましょう。
では、親が子どもを好きなのはなぜでしょうか?
小さいから?可愛いから?いい子だから?
いいえ。
「だいすき」には理由なんてないこと。
しっかり感じてもらいたい。
そんな時におすすめの絵本です。
みんな ちびちびが だいすきでした
森で産まれたゴリラのちびちび。家族や森の動物みんなもちびちびが大好きでした。そんなちびちびですが、ある時なにかが起こります。愛に溢れた読み聞かせにぴったりの絵本です。
ゆっくり読みましょう。
場合によっては、泣けてきます。
だって、みんながちびちびのことが大好きなんです。
ちびちびは小さくて可愛いからきっとみんな好きなんだろうと思って読んでいると、最後にうわぁ、ってなります。
愛されているということ。
産まれただけで愛されるんだよ、ということ。
何をしなくても、何ができなくても、関係ない、ということ。
ちびちびの優しい表情で伝わっていきます。
子供たちに伝えたいけれど、どうしても社会との折り合いや自分の都合に流されて有耶無耶になってしまうことが、この絵本を読めばきっと伝えられます。
私も、ひめを見習ってストレートに、子供たちを抱きしめて伝えなければ。
拒絶されない今のうちに。
- 作者: ルース・ボーンスタイン,いわたみみ
- 出版社/メーカー: ほるぷ出版
- 発売日: 1978/08/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 9回
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クリスマスに読みたい絵本 お手伝い小人説は有力「だれも知らないサンタの秘密」
こんにちは。
クリスマスイヴですね。
クリスマスにちなんでリースを模した輪っかのちぎりパンを焼いたのですが、抹茶とプレーンとチョコの可愛い3色にするはずが、加熱時間が長かったのか、全部茶色になってしまい、がっかりなくるみです。
落ち込んでたら、ちびが「ま、いっか」と言ってくれました。いつも子どもに支えられています。
さて。
去年も同じようなことを書いた気がしますが、小4のにーさんはサンタの存在をかなり疑っています。
「本当はお母さんたちなんでしょ」「お母さんは知らないよ。サンタさんを信じてないとプレゼントはこないらしいよ」
そんなやり取りをしてもう数年が経っています。
うちはとにかく、サンタさんについては知らぬ存ぜぬの一本で、何を聞かれても「お母さんも知らないんだ。不思議だよねぇ」と言っています。
なので重箱の隅をつつくようなにーさんの尋問もひらりとかわせるのです。
(リアリストで疑り深いアマノジャクな子供には、この対応、すごくおすすめです。)
にーさんは95%疑いつつも、残りの5%は確信が持てないままのようです。
なので、決定的証拠を掴もうと、疑いの眼差しでクリスマス絵本を読んでいます。(もはや子供の目線ではない(笑))
今日の絵本は、そんなにーさんの捜査意欲を掻き立てた絵本です。
小人説、なかなか有力です
なぜ、いい子にしていないとプレゼントはもらえないのでしょう。いい子だったかどうかサンタさんはどうして知っているのでしょう。サンタさんって謎だらけ。そう思っている人はこの本を開いてみて下さい。サンタさんの秘密、公開します!
ところ狭しと描かれた細かい絵や小さい文字の吹き出しの会話があり、どのページも時間をかけて楽しめます。
なので、複数人数での読み聞かせには向いていないかもしれません。
ふりがなを振っていない漢字も多く、一人で読めるようになるのは小学校の中学年でしょうか
うちでは、ひめには隣で読んであげ、にーさんは1人で読みました。
ひめとのやりとり。
「やっぱりサンタさんって本当にいるんだね。これ、全部ほんとなの?うちにも小人が来てるの?」
「うーん、本当なのかなぁ。ママも見たことないんだけど」
「書いてあるから、きっとホントなんだよ!」
にーさんとのやりとり。
「小人なんているわけないでしょ。」
「それはわからないよ」
「見たことないし」
「見たことないものがいないとは限らないんだよ。お母さんも見たことないから絶対いるとも言えないけど。」
(この後、見たことないつながりで、幽霊はいるかいないかの話になりました(笑)にーさんによると幽霊は幻覚だそうです)
どうやら今回も完全な証拠は掴めなかったようで、「いないでしょ」と言いつつ、「サンタさん、スマブラ(大乱闘スマッシュブラザーズ)ちゃんとくれるかな」と心配しながら眠りに付きました。
楽しみ過ぎて2時に起きてきたこともあるにーさん。
今年はぐっすり眠れるといいです。
皆さんによいクリスマス・イヴでありますように。
- 作者: アランスノウ,Alan Snow,三辺律子
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 大型本
- 購入: 1人 クリック: 110回
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クリスマスに読みたい絵本 あわてんぼうのサンタさんの楽しい勘違い「まどからおくりもの」
こんにちは。
クイズ番組が好きで、見出したら誰より夢中になってしまい家事が進まないくるみです。
もうすぐクリスマス。
みなさんのお家では、サンタさんはどこにプレゼントを置いてくれるのでしょうか?
靴下の中?枕元?窓のそば?リビング?暖炉?
我が家では、クリスマスツリーの傍に置いていってくれます。
枕元では音に敏感なにーさんがサンタさんに遭遇してしまうからなのでしょう(苦笑)
この絵本のサンタさんはヘリコプターに乗ってきて、家々を歩いて回り、窓からプレゼントを入れてくれます。
ヘリコプターって!音がすごそうですが。
誰に何が届くかお楽しみ。
楽しいしかけ絵本です。
あわてんぼうのサンタさんの楽しい勘違い
サンタさんがやってきて、家々の窓から贈り物を配っていきます。窓の部分は切り抜かれていて、次の部屋が描かれているページが覗け、本当の窓のようです。サンタさんは窓から覗いて「ここは〇〇のおうち」と贈り物を選びますが……。あわてんぼうのサンタさんの思い違いが楽しいしかけ絵本です。
窓のように穴が空いているページのおかげで、家の外から見るサンタさんの目線になった後、次のページでは窓から部屋の中に入ったような感覚になり、それだけでもとても楽しいです。
早とちりの多いあわてんぼうのサンタさんは、窓からチラッと見ただけで、どんどんプレゼントを選んでいきます。その勘違いが子供の心をばっちり捕らえます。
「ちがうよ〜」
「また間違えてる〜」
と声も上がり、とても楽しく読めました。
こんなサンタさんなら、子供のふりして寝たら、間違えて私にもプレゼントくれるかも。
小さい子から小学生まで楽しい絵本でした。
クリスマスに是非。
自分の当たり前は自分だけの当たり前「みえるとかみえないとか」
こんにちは。
二分の一成人式のために、産まれてから今までの年表のようなものを提出しなければいけない10歳のにーさん。にーさんの小さい頃の話をしていて、ひめとちびについての記録が少ないことに、不安を感じたくるみです。
歩き始めたのがいつとかどこかに書いてあるだろうか…?(頼みの綱は母子手帳)
にーさんの時は一応育児日記なるものをつけていました。
それによると、1歳5ヶ月でひらがなに興味を示し、「へ」という文字を見て、「ニョロニョロ」と言ったらしいです。
これはうちにある、ひらがなの積み木の「へ」の裏がへびの絵だからなのですが、これ、実はすごく早いですよね。
当時は1人目だったので、そういうものかと思っていました。
その後も着々とひらがなを覚えていき、2歳になる前にはひらがなもカタカナも全部読めていました。
現在2歳5ヶ月のちびは全くひらがなに興味を示さず、1文字も読めません。
識字能力抜群のにーさんはというと、人と話すのが苦手で同じくらいの年の子に自分から話すことはほぼ皆無でした。なので、幼稚園では年長さんになっても友達と呼べそうな子は1人もいませんでした。
ちびはもう同じ年の子に話しかけることができます。
同じ親から産まれた子でもこんなに違う不思議。
でもまあ、そもそも自分以外の人とは違うものなのです。
今日は、人と違うことについて、楽しく読めて、深く考えさせられる絵本です。
自分の当たり前は自分だけの当たり前
宇宙飛行士のぼくはいろんな星を調査するのが仕事。他の星では目が3つあったり、飛べたり、体が柔らかかったり、自分とは違う特徴を持った宇宙人が暮らしています。宇宙人との触れ合いを通じて、ぼくが感じたこと、それはどんなことでしょうか。
目が3つあって後ろも見ることのできる人の住む星で、主人公は特別扱いされます。
普段気にしない「後ろが見えない」ということが、注目され、不便、かわいそう、と気を遣われるのです。
私も普段目が見えない人は不便だろうなと思います。
なぜそう思うかと言われたら、世の中は、見える人が便利なようにできているから。
多数派に合わせて様々な物が作られているからです。
左利きの人も不便なことが多いとか。食事中に腕がぶつかったり、自販機の硬貨投入口が右にあって入れにくいのも、右利きが多数派だから。
「かわいそう」というのは上から目線に聞こえるのかな、と思うのですが、個人的には「不便」というのは特に問題ないと思って使っています。(どうなんでしょう。気分を害す方がいたら申し訳ないです)
不便というのは便利でないということ。多数派に便利なように世の中が作られているから少数派にとっては不便になるのだと思うのです。
では、あらゆる人が気持ち良く使えるように全てを作れるかと言ったら、現実的にはやはり難しいと思います。
多数派に少数派の気持ちを察しろというのも無理があります。
そもそも少数派がいることすら気付かないケースもあります。
少数派がどんどんアピールできたらいいのですが、そんな簡単な話でもないのが現状です。
多数派は異質なものを嫌い、少数派は排除されることを恐れます。
多数派が安心なのはどうしてなんだろう。
少数派になると声が小さくなってしまうのはどうしてなんだろう。
多数派が良くて少数派は悪いのだろうか。
少数派は不便で何もいいことがないのだろうか。
あることは多数派でもあることは少数派。そんな人が多いのに分かりあえないのはなぜなんだろうか。
もっと多数派とか少数派とか関係なく1人1人を尊重し合って生きていけるようになれないのだろうか。
たくさんの疑問が湧いてきます。
そんな道徳の課題のような難しいテーマですが、ヨシタケシンスケさん、さすがです。
大事なことだけれど、下手に触れると傷つく人がいたり、炎上しちゃうような繊細な話題も、ヨシタケシンスケさんの手にかかれば、こんなに楽しく、身近に、嫌味のない絵本になります。
1人1人が違う。
当然のことなのになぜかそれを忘れて、共感できない人を排除したくなる。
みんなと違う部分を後ろめたく思う。
みんな違ってみんないいのに。
とりあえず、自分の少数派の部分はさておき、多数派の部分については、
「自分にとっての当たり前は、自分にとって当たり前なだけ。」
ということをいつも忘れずにいたいと強く思いました。
ひめは読み聞かせ後にもう一度じっくり読み直していました。おそらくそれほど深い意味はわかっていないと思いますが、ただサラッと読んでも十分面白いのです。ボソッと書かれた一言も面白く、隅々まで楽しめます。
私は、ねんどメモや後ろを振り向く時の絵が可愛くて好きでした。
1人1人が「へー!」を楽しんで、いつもと違うたくさんの人と「だよねー!」って言えるといいのかな。
クリスマスに読みたい絵本 人間味溢れるサンタさん「サンタおじさんのいねむり」
こんにちは。
気になっていた窓のさんを掃除したら、思った以上に満足して大掃除が終わった気分のくるみです。
もうキッチンの換気扇は忘れていることにしてしまおうかと…
毎年、前年よりも速く過ぎ去るように感じる1年に驚きつつ、今年も暮れようとしています。もうたったのあと半月。
やりたかったこと、どのくらい実現できたのか。
そろそろ今年の総括をしようと思うのですが、目の前には一大イベントであるクリスマスが。
クリスマスには家族をよんでクリスマス会を開くのが定着してしまったので、それが終わるまでは落ち着けません。
そして、無事終わったと思えば、冬休みに突入してしまい、1日中子供たちがいるのでバタバタし、そんなこんなのうちに帰省、年越し…ゴーンゴーン。
今年もそんな予感がします。
皆さんはどう過ごされるのでしょうか?
既にクリスマスが待ち遠しい我が家の子供たちですが、更に気分を高める絵本もおすすめです。
人間味溢れるサンタさん
イヴの夜。プレゼントを届ける途中でサンタおじさんはおくさんにもらったサンドイッチを食べて居眠り。それを見た森の動物たちは…。人間味溢れるサンタさんと可愛い動物たちのこころ温まるお話です。
たくさんいたり、寒がりだったり、おしゃれだったり、忘れんぼうだったり。
謎多きサンタさんは、人々の想像を掻き立て、たくさんの顔を持っています。
この絵本のサンタさんには奥さんがいます!
そして、奥さんに呼び捨てにされ、サンドイッチとコーヒーを持たされ、寝てしまうから途中で食べないように釘を刺されるのです。
なんて人間らしいサンタさんの生活感!
呼び方からしてサンタクロースでもサンタさんでもなく、「サンタおじさん」ですし。
さらには、食欲にも睡眠欲にもまんまと負けてしまうサンタおじさん……
溢れんばかりの人間味です。
ひめはサンドイッチを食べようとするサンタおじさんに「だめ〜!」と本気で叫んでいました。
もう、しっかりしてよ!と言いたくなる主婦目線の私ですが、森の動物たちはとても優しく、心が温まります。
私は、動物たちの行列のページが好きでした。
立っているシカ、前が見えなさそうなクマ、よそ見をしているタヌキ、みんなとっても可愛いです。
私が産まれる前の絵本なのですが、全く古さを感じさせない絵本でした。
うちにも無事プレゼントが届くかな。届けてくれるのはサンタさんじゃないかも?夢の広がる絵本です。
クリスマスに是非。
- 作者: ルイーズ=ファチオ,かきもとこうぞう,まえだみえこ
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1969/12
- メディア: 単行本
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贈り物をする時に大切なこと「ふゆじたくのおみせ」
こんにちは。
寒くなると冬眠したくなるくるみです。
さて。クリスマスシーズン。
プレゼントを考えている方も多いと思います。
我が家はやっと、子供たちへのプレゼント(子供3人✕Mr.S+母+伯母)を選び、注文し、今日全部揃ってほっとしています。
豊かな生活や便利な流通、いつも子供たちを想ってくれる家族に感謝しつつも、ぐったりとしてしまい、恨みすら感じるこの時期。
ですが、忘れてはいけないこと、贈り物は何のためにするのかということ。
それは、自分が贈りたいから。
とてもシンプルです。
相手を喜ばせるためのプレゼント。
相手を想い、笑顔を願う気持ち。
今日はそれがストレートに伝わってくる温かい絵本です。
贈り物をする時に大切なこと
森に冬じたくのお店が開店し、葉っぱのお手紙を読んで森の動物たちが集まってきました。仲良しのクマさんとヤマネくんも一緒に行き、それぞれに買いたい品物を見つけます。このお店のお金はどんぐり。みんなどんぐりを探しに走り出しました。どんぐり集めに時間がかかってしまったクマくんとヤマネくんですが、お目当ての品物を買うことができるでしょうか。
大きなクマさんと小さなヤマネくん。
2人はとても仲良しで、並んでいる姿が対照的で可愛いです。
ふゆじたくのお店で売られているものも可愛くて、表紙の絵の、瓶などが並ぶ店内の様子は、可愛い雑貨屋さんのようでわくわくします。
落ち葉でいっぱいの秋の森が舞台のこの絵本は、茶色の占める割合がとても多く、読んでいるとカサコソと落ち葉の音が聴こえてきそうなほどです。
森の中にいる気分になれます。
あまりの茶色の世界に、ひめは途中、茶色くて小さいヤマネくんを見失い、「ヤマネくんどこ??」と探していました。(さすが保護色!)
クマさんとヤマネくんはお互いにプレゼントを買おうと考えるのですが、値段が全然違うのです。ヤマネくんだけ、どんぐりを500個も集めなければなりません。
にーさんが気にしそうだな、と思ったら、やはり、
「ヤマネのだけめっちゃ高いじゃん」と。
そうなんですよね。
5000円のプレゼントと500円のプレゼントを交換するようなものなのです。
ヤマネくん損してる、なんて思う気持ちが生まれてくるのも無理はありません。
そして読み進めるうちにクマさんはどうやらどんぐり集めが下手らしい、というのが分かり、つまりは、
お金持ちの5000円=貧しい人の500円
という感じで、身を切る痛みは同じ程度なので、納得!と思います。
……いやいや違うって!
大切なのは、金額でも、それを得るのに払った労力の大きさでもない!!
資本主義の犬になっている私。大切なことを見失うところだったよ。
お金はともかく、相手のためにした努力や犠牲は、ついつい相手を想う気持ちと等しく感じてしまうものです。
でも、大切なのは、相手が喜ぶことを願ったり、相手にあげたいという自分の気持ちです。シンプルにそれだけ。
思いついたプレゼントが高ければ、努力しなければならないし、安くても相手を想って選んだのならそれでいいのです。
2人は、店で品物を選んでいる時にお互いの姿を想像しています。その想いが何よりも大切。
2人の友情の深さは途中の場面でもよくわかります。クマさんの後ろ姿を見ているヤマネくんにじんわりします。
そして、そんな2人を見守る森のみんなもとても温かく、ほんわかと心温まるお話です。
この後、みんなは冬眠するのかな。
私も冬眠したいなぁ。
空高く上がる風船を覚えていますか?「あかいふうせん」
こんにちは。
週末はひめの幼稚園の発表会でした。あまりにも楽しそうに踊るひめに元気をもらったくるみです。
今日はクリスマス会の装飾に使おうと、赤と緑の風船をダイソーで買ってきました。
私が子供の頃は、風船といえば、お祭りやデパートなど、お出かけでもらえる特別なものでした。
(今でもヘリウムで浮かんでいる風船は特別ですが。)
色とりどりの中から1つの色を手に入れた時の嬉しさと裏腹に、手を離したら飛んでいってしまう危うさに怯み、ひもを手首に何重にも巻き付けて持っていた記憶があります。
割らずに飛ばさずに持ち帰れて、天井に放った時の安心感といったら。
こんな記憶は私だけでしょうか。
当時、風船を配っているような場所では必ず、空を見上げると誰かの手からするりと抜けてしまって上がっていく風船の姿がありました。
今は風船が飛んでいかないように配られる時に必ずプラスチックの持ち手が結んであるような気がします。
今思えば、もらった後に何か重しに結んでおけば良かったんだと思います。
あの頃のように、紐だけで渡される風船は最近は見ません。
そういうわけで、空高く上がっていく風船も見ません。
少し残念です。飛んでいくのを見るのが意外と好きだったのです。(無くしてしまった子には悪いけど)
小さく小さくなっていく風船を点になって見えなくなるまで、どこまでいくのだろうと思いながらずーっと見ていました。
(あれは本当にどこまでいくのでしょう?気圧の変化で破裂するのかな…そしたらゴムが落ちてきて事故になったりはしないのでしようか…)
今日はそんなことを思い出した、飛んでいく風船のお話です。
風船を手放す寂しさ
屋根の空いた黄色いバスに赤い風船を持った女の子が乗ります。ところが、途中で飛んでいってしまう風船。バスはバス停でいろいろな動物を乗せつつ、風船を追いかけていきますが…赤い風船に追いつくことはできるのでしょうか。
まずは、絵に吸い寄せられました。
動物たちも風景もリアルではなく、媚びた可愛さもなく、淡々として、イラストのような不思議な絵です。
色使いが優しく、どこか物悲しいです。
文章も物語もシンプルで、それだけに、最後の展開が心にぐっときました。
寂しいまま終わりそうな世界がぱっと明るくなります。
子供たちには、いろいろと納得いかない部分があるようで、にーさんはツッコミまくっていました。
「みなかった?って、自分たちも見えてるでしょ」
「雨降ってないのになんで傘?」
「きりん、風船とれたんじゃないの?」
などなど…
おっしゃる通り。言っていることはわかるのですが、そういう細かいことを気にする絵本ではないのでしょう。
手元にあるものを失うという無常感。
届かないものを追う虚しさ。
たくさんの景色と増えていく仲間。
得られたものの美しさ。
明るい明日の予感。
不思議と、読後にじわじわと心に響いてきます。
失敗をしないように予防することに力を入れる世の中で、飛んでいってしまう風船の寂しさが少し懐かしく、愛おしくすら感じてしまう絵本でした。大人の方も是非。