ヒトは海がなければ生きてはいけない「ながいながい骨の旅」
こんにちは。
気温差に身体がついていかないくるみです。
昨日は、曇り時々雨予報の中、にーさんは遠足で山登りにでかけていきました。
この季節、山はいきいきとした緑で、気持ちいいだろうなぁと思いながら見送りました。
高尾山に登ってビアガーデンで飲みたい、と5年くらい思い続けているものの、いまだに実現できていない私は、海より山の方が好きです。
泳げないせいか、足のつかない深さの水が恐いので、海はあまり好きではありません。空気のない所が恐いのです。潜水艦で潜っていくのを想像しただけでも、少し胸が苦しくなります。
そんな私でも、海辺で波の音を聞くのは好きです。なんだか懐かしく気分が落ち着いてきます。
海の音が懐かしいのは私たちが海からきたからなのかもしれません。
そんなことを思ってしまう今日の絵本はこちら。
海を持ち運んでいる!?
骨はいつ頃どのようにして生き物の中に生まれたのでしょう。地球に生命が生まれてからヒトが生まれるまで、骨に注目して骨の由来や役割を解き明かしていく科学絵本。
骨の役割と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、しっかりと立つことかできたり、内臓を守ってくれることではないでしょうか。
骨がないとタコのようにグニャグニャになってしまう。脳や心臓が露わになっていてはとても不安。
それはすぐ想像がつきます。
ただ、陸で暮らすために、海の恵みを骨の形に変えて持ち運んでいるなんて考えたこともありませんでした。
私たちは、「骨」や、その中で つくられる 「血」という形かたちで 、いまも、 体の中に 「海」をいれて、もちはこんでいるのです。 私たちは、体の中に「海」をもつことで、地上で生きていくことが できるのです。
1つのことに焦点を当てると、違う視点で物事が見える、正にそんな読書体験でした。
例のごとく、ひめには少し難しく、簡単な説明を試みたものの途中離脱してしましたが、科学好き、活字好きのにーさんにはあとがきまで楽しめる絵本でした。
胎児の成長と照らし合わせるところは大人も鳥肌が立ちます。
生命の不思議、生き物の歴史の深さを味わえる1冊です。
気の持ちようで若く軽やかに「だってだってのおばあさん」
こんにちは。
片付け途中のカオス状態で連休が終わらないことを切に願うくるみです。
先日昭和記念公園に行ったのですが、にーさんに体力で完敗しているということがわかりました。
にーさんは、公園内「こどもの森」の中の「石の谷」もいう、大きな岩が並んでいて、登ったり飛び移ったりできる場所がたいそう気に入ったらしく、かれこれ1時間以上、ひたすら野生児となって、岩から岩へぴょんぴょんと、飛び回っていたのではないでしょうか。
それを見て、最終的に「疲れた、駐車場まで歩けない。」とグズグズ言われることを危惧していた私なのですが、全く弱音を吐くことなく、全速力で走って誰よりも元気に帰路につきました。
小さい頃から慎重でインドア派の子だったのでまだまだ抜かされはしないと思っていたら、いつの間にかアラフォーの私など完全に凌駕していました。
ヘルニアを発症してから、体力にめっきり自信のなくなった私は、公園でもとにかく無理しないように、参加せず見守っていただけなのですが、普段より歩いたせいか足がだるいのです。
老いを感じる昨今。
この絵本で元気になりましょう。
プラセボ効果で若返り
ねこと暮らしているおばあさん。ねこからの誘いをいつも「だって、わたしはおばあちゃんだもの」とお断り。しかし、おばあさんの99歳のお誕生日に、アクシデントでケーキのろうそくが5本になり…
ろうそくが5本になって、気持ちも5歳に戻るおばあちゃん。
5さいって なんだか ちょうちょみたい
あっけらかんとしていて、開放された軽やかさに読んでいるこちらも心が踊ります。
そうだよなぁ。小さい頃は「疲労」という認識自体なかったよなぁ。
心も体も軽く、何でもできるようになると思っていたなぁ。
現実主義のにーさんは「99歳ができるわけないでしょ。やめとけって」と突っ込んでいましたが、私の衰えてきた身体ももしかしたら、年齢について考えている頭のせいかもしれません。
ふと、昔テレビで「自分が何歳だなんて考えたことはない」と言っていたひろみゴーを思い出しました。
「ジャパン!」と軽やかにターンしていたひろみゴーとおばあさんを重ね合わせ、自分も腹筋とスクワットを頑張ろうと心に誓ったくるみでした。
まだ幼いねことの親しみあるやり取りも可愛い絵本です。
代々想いを絆ぐ壮大な物語「ことりをすきになった山」
こんにちは。
最近ウイスキーの美味しさに目覚め、大人の階段をまた1段上ったくるみです。
GWに入って家の整理や家周りの整頓をしているのですが、それだけだと子供が文句ブーブーなので、昨日は立川の昭和記念公園に行ってきました。
ツツジがきれいでしたが、なんといっても新緑の季節。見渡す限り、緑。若葉がキラキラしていて、生き生きとした自然を感じ、癒やされました。
この1つ1つの植物はタネから育ち、何年、何十年かけて育ってきたのだなぁ。
そしてそのタネは、はるか昔から受け継がれ、育まれてきたものなんだ。
生命ある星、地球。
そんな星に私はいるんだ、
などと、大きなことを考えてしまいます。
今日の絵本も人の寿命を超えた長い時間や地球の美しさに想いを馳せてしまう1冊です。
代々想いを絆ぐ壮大な物語
生き物の育たない岩だらけの山にある日とまった1羽の小鳥。小鳥と触れ合い心を動かされた山は小鳥にずっといて欲しいと懇願するが、小鳥はまた来る約束だけして行ってしまう。しかし、小鳥は世代が変わってもきちんと毎年約束を果たし…
山と小鳥。
山は冷たさしか知らず、無機質でごつごつとしていて、それに対して小鳥は柔らかく温もりがあり、美しい声で歌い、2、3年で命尽きます。
物語はこの対照的な2人の長い長い年月をかけた恋物話です。
山は小鳥に出会ったことで、待ち焦がれる苦しさと別れの辛さを知ります。
山にとっての時間軸と小鳥の時間軸は違います。
小鳥は春になる度にしっかりと忘れずに山に会いに来て、2、3回の春を経るともう死んでしまいます。しかし、その意志は継がれ、次の春にはその子どもが山に会いにいくのです。それが何代も何代も続きます。涙を流したりしないので淡々としているように見えますが、小鳥はとても誠実です。
小鳥の名前はジョイ。
喜びをもたらすと同時に苦しみや寂しさも与え、生命の美しさの象徴のように温かく、柔らかく、儚いのです。
待つことしかできない山の切なさと小鳥の健気さが心にぐっときます。
長い長い年月の経過は2人に何かをもたらすでしょうか。
子供たちは、静かに聞いていました。
いつか誰かを小鳥のような真摯さで想うことがあるかな…
大人にも響く1冊です。
- 作者: アリスマクレーラン,エリックカール,ゆあさふみえ
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1987/10/01
- メディア: 単行本
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2文字から始まる言葉の世界「あ·あ」
こんにちは。
新学年になり、環境の変化によるものなのか、またにーさんが情報不安定で態度が悪く、毎日気が重いくるみです。
ちびは今1歳10ヶ月。
1歳半健診では言葉の発達で引っかかってしまったのですが、その後急成長し、今では「ママ ミルク ちょうだい」などと三語文まで難なく使いこなせています。
ただ、発音はいまいちなので、聞きとれるのは家族だけかもしれません。
「ママ ミルチ とーあい」(ママ ミルク ちょうだい)
という感じです。
パパ、ママ、にいに、ねえね、そして自分のことを「ちーちゃん」と言います。
実際の名前は「ち」もつかず、イ段から始まるわけでもなく、「ちーちゃん」から想像できない名前なんですけど(笑)
さらに家にあるお気に入りのぬいぐるみ、ディズニーのシェリーメイ(ダッフィーのガールフレンド)のことも「ちーちゃん」と言います。
言いやすいのか口から出る言葉の中で「ち」の割合が多い気がします。
何を言ってもたまらなく可愛いお年頃です。
そんな赤ちゃん言葉は今しか楽しめないので存分に楽しみたいです。
今日は言葉が出るか出ないか、もしくは出始めたくらいの赤ちゃんにぴったりの絵本です。
2文字から始まる言葉の世界
桃「も·も」、靴「く·く」同じ文字を重ねた言葉が次々と出てきます。わかりやすいはっきりとした絵と発音しやすい赤ちゃん言葉で、赤ちゃんも楽しめる絵本です。
思えばママもパパも同じ文字の繰り返し。
赤ちゃんにとって、同じ文字の繰り返しが覚えやすく話しやすいのでしょうか。
このような2文字の言葉はリズムも感じやすく、もしかしたら自分で言っていて楽しいのかもしれません。
ぺらぺらと話せるアナウンサーも言葉を巧みに使う作家も誰もかもが、こんな風に拙くしゃべる所から始めて、少しずつ言葉を身につけていったのだなぁと思うと何だか不思議な気分になります。
最近ひめの真似っこばかりしているちびは、この絵本もしっかり繰り返してくれました。
1歳でも全文読めちゃいます。
魚を「と·と」、コップのお水を「ぶ·ぶ」は、聞いたことがなく、上の2人も「なんで?」と言っていました。
赤ちゃん言葉で有名なのかな。皆さん知っていますか?
赤ちゃんにおすすめの絵本です。
シェーを知ってるあなたは同世代?「もっとおおきなたいほうを」
こんにちは。
誰もが気軽に検索できるインターネットで見つけられるわけはないだろうと思いながらも「GW 子連れ 穴場」などと検索してしまうくるみです。
GWの予定は決まっていますか?
うちは何も決まっていません。
旦那は前日か当日になって初めて、何する?などと言う人なので、今までは私が案を練っていたのですが、今年は体力気力がどうしても湧かず、何の案も浮かんでいないまま今日に至っています。
このままだと、中途半端にやりかけている断捨離を進める1週間になりそうです。
私としてはそれも嬉しいのですが、子どもたちが許してくれるかどうか……
1日くらいはどこか遊びに連れて行ってあげないと。
子供たちは楽しいことが大好きですもんね。
絵本でも、うちの子供たちが好むのはなんだかんだで楽しい絵本です。
友達想いのじんわりする絵本や子供の成長を描いた感動の絵本、親子の絆を感じる心温まる絵本など、素敵な絵本はたくさんありますが、子供たちが1番目を輝かせるのはとにかく面白い絵本。
今日の絵本はそんな子供たちの期待に応えてくれた1冊です。
王さま、シェー
お気に入りの大砲を打ちたくて仕方なかった王さまは、魚を採っていたキツネを大砲で追い払うことにしました。ところが、逃げたキツネがもっと大きな大砲を持ってきて…。王さま対キツネの大砲自慢合戦。はじまりはじまり。
王さまが大きい大砲を作っても、3匹のキツネはもっと大きな大砲を運んできて、王さまと家臣の3人はビックリ。さらにすごい大砲作りに励みます。
キツネの飄々とした感じと王さま達の大げさでコミカルなリアクションか面白いです。
王さま、驚いてシェーしてる!(シェーってもう通じない言葉なんだろうか…)
にーさんもひめも楽しかったようで、形の面白さを競ったページ(シェーのページ)ではケラケラ笑っていました。
大砲作り競争の行く末も気になり、最後まで目が離せません。
私はキツネが逃げていく様子が好きです。
正に「すたこらさっさ」のイメージそのものでした。
この絵本、敢えて教訓をあげるなら、
「争いは滑稽」
「武器はいらない」
という所でしょうか。
たくさん笑ってお風呂に入るのが平和ということなのかもしれません。
ユーモアが欲しい時に是非。
本当に観察しているみたい「はなのさくえほん」
こんにちは。
久しぶりにちびが風邪をひきました。予防接種後は必ず免疫力が落ちると思うくるみです。
春になると、家々の庭先に可愛いお花が咲いていて、ちびもひめも見つけると嬉しそうにします。
プランターの寄せ植えなど、キレイにされているのを見ると尊敬の念を抱きます。
というのも、家でハーブを育て、お料理やお茶にささっと使う生活を夢みる私ですが、植物を育てることが全くできません。
つい最近も頂いたミニバラの鉢植えをあっという間に枯らしてしまったばかり。
水をやり過ぎたりやり忘れたり、温度調節など細やかなお世話ができず、虫も苦手だし。
植物では唯一家の中にあるスパティフィラムだけ枯らさずに育てられています。きっと強いのでしょう…。
そんな私でもめくるだけで花を咲かすことができる絵本がありました。
本当に育っていくみたい
たねや球根をまいてみよう。ひまわり、あさがお、チューリップ…たねやきゅうこんをまくと芽が出て、葉っぱができて、にょきにょきと伸びて花が咲きます。本当に植物な育っていくような仕掛け絵本です。
縦に広がるシンプルな仕掛け絵本ですが、 植物が本当に上に伸びていくようでワクワクします。
クイズ好きの我が家ではやはり花当てクイズになりました。
何の花だろう?
種でわかる?咲くまでわからない?
観察している気分になれちゃいます。
「あな〜(花)」
ちびも嬉しそうです。
お花に必ず1匹虫がいるのも子どもたちには楽しいようで、「今度はハチがいたね!」と毎回指さしていました。
ちびは「ちょーちょ!!」と蝶にテンションMAXでした。
植物によって種や葉っぱの形、伸び方が違うこともわかり、理科の勉強にもなります。
いつかは植物を育てられる人になりたいなぁ。
古き良き手作業と物々交換「ペレのあたらしいふく」
こんにちは。
ちびが家中の引き出しを開けることを覚え、対応に追われているくるみです。
桜が散ったかと思えば、急に夏のような暑さがやってきた数日前。慌てて子供たちの半袖を出しました。
季節の変わり目になる度に、子供3人分の衣替えが大仕事で、憂鬱になります。
自分の服の衣替えも以前は半日かかっていたのですが、昨年「人生がときめく片付けの魔法」と「フランス人は10着しか服を持たない」を読んで一念発起し、処分した結果、しまい込む洋服がなくなり、衣替えせずに過ごせる快適な生活を手に入れました。
この勢いで子供の服も減らしたいのですが、何しろ3人分ですし、どんどんサイズは変わるのにお下がりはとっておきたいのでなかなか処分しづらく、困っています。
それにしても世の中には服が溢れています。
整理した今でも私のクローゼットにもそこそこ服があるし、小さな子供たちもたくさん持っています。
買い物に行くと、回りきれないほどの洋服屋さんがあり、それぞれのお店には所狭しと服が置いてあります。
どこでこんなにも布や毛糸や皮が生産されているんだろう。
実際の綿花や麻の植物を見たこともないような私が、こんなに簡単に洋服を手に入れることができていいのだろうか。
そんな風に少し違和感をおぼえる昨今。
こんな絵本はどうでしょうか。
新しい服をありがとう
羊を飼っているペレは、ある日羊の毛を刈りました。その毛を、すき、糸に紡ぎ、染め、織り、仕立て、たくさんの工程を経てようやくペレは新しい服を手にします。
魚が切り身の状態で泳いでいると思っている子供がいる、なんて話もありますが、この文明社会では原形がわかる物の方が少ないのではないでしょうか。
食品だけでなく、プラスチック、金属、布や、陶器、あらゆるものが百均でも手に入れることができますが、それぞれの製造工程を見ることはほとんどありません。
この絵本では、ウール素材の洋服ができるまでの工程を知ることができます。
描かれているのは全て手作業です。
おそらく今ではほとんど機械化されている工程を人の手で行っているのです。
人の手で作り上げられていく様子に、物のありがたみを感じずにはいられません。
もう1つ、この絵本で素敵だと思うことは物々交換。
ペレは工程の1つ1つを家族や近所の大人にお願いしますが、子供だからといって、ただでやってもらっているわけではないのです。
サービスとサービスですが、ペレはお願いと引き換えに頼まれた仕事をします。いわゆる物々交換です。妹のお世話だったり、薪を運ぶ仕事だったり。
何かをもらうために自分のできることをする。
社会との関わりのシンプルな構造がよくわかります。
最後の羊さんとのやりとりも心温まります。
ペレはこの洋服をとても大事するんだろうなぁ。
子供たちは終始じーっと聞いていました。
何を感じたのでしょうか。
分業化、工業化が進み、物が溢れ、社会との関わりの意味を見失いがちな現代で、子供たちの心に温かい何かが残っていたら嬉しいです。
青い表紙と新しい青い服が印象的な絵本です。
- 作者: エルサ・ベスコフ,おのでらゆりこ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1976/02/03
- メディア: 大型本
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