3つのたねに絵本の水を

日々思ったこと、子育てエピソードと共に、3人の子供たち(にーさん(中1)ひめ(小3)ちび(年中))に読み聞かせた絵本を1冊ずつ紹介しています。

自分の名前で悩んだら読んでみて「わたしドーナツこ」

こんにちは。

子供たちの風邪、喘息、中耳炎、インフルエンザ疑惑…で余裕を失っていたくるみです。

時間がなかったわけじゃない。余裕がないと気持ちが切り替えられず、文章を書けない自分。根性と能力が足りない…少し落ち込みます。

 

さて。

みなさんは自分の名前、気に入っていますか?

 

「自分のものなのに他人の方がよく使うもの、なぁんだ?」

となぞなぞにもあるように、人に呼ばれることが大きな役目である名前。

 

愛を持ってたくさんの人に呼んでもらえますように、と親が付けてくれるたった1つの大切な名前。

 

けれど、子どもの頃は名前をネタにからかわれることも多いですよね。

軽い気持ちで言葉遊びのように悪口に使われることもしばしば。

親としては自分が付けた名前で子供が嫌な思いをするのは心が痛いです。

 

では、どんな名前なら、からかわれないのだろう…と考えてもわかりません。

どんな名前でもからかいの対象にはなり得ます。

凶悪犯や人気アイドルと同じ名前になるかもしれないし、何が起こるか未来はわかりません。

そもそも名字は簡単に変えられないわけだし。

 

それに、からかわれないようになんて、ネガティブな理由で名付けもしたくありませんよね。

からかわれるのなんて気にしないで自信を持って生きて行けば、名前の方が付いてきます。

ミュージシャンの名前なども、どんなに変わった名前でも音楽を認められれば、名前もかっこよく感じられるもの。

 

うん、でもそうは言ってもね。

子どもにとっては大問題なんですよね。

 

今日の絵本は、名前で悩む女の子のお話です。

 

1人じゃできないことも…

ドーナツ屋の一人娘どうなつこ。名前をからかわれるのが嫌で学校へ行くのが憂鬱で仕方ありません。「学校に行くくらいなら、本物のドーナツになって食べられてしまったほうがましよ。」と思ったなつこ。次の日起きると大変なことに!!ポップな絵と楽しいストーリーで子供の心情を描いた絵本です。

 

なつこは自分の名前について悩みます。

だって、本名が「どうなつこ」=「ドーナツこ」なんです!

ドーナツ屋の娘、どう なつこ。

 

親も思い切ったな、という名付けです。

なつこはからかわれるのを恐れ、学校に行くのを嫌がります。

もう自分なんて食べられていなくなってしまいたい!と思うくらい悩むのです。

 

子供の頃ってそうですよね。

大人になれば笑い飛ばせることも、とても大きなこととして迫ってきて、追い込まれていきます。

逃げる手段も知らないので、生きるか死ぬかの極論になりがちです。

 

なつこの心配はさらなる不運を呼ぶのですが、それでもなつこは学校に行きます。

行かないという選択肢はなかなか選べないのです。

 

そこまで読んで、同じ親としては切なさでいっぱいです。

 

なつこが親に相談できない歯がゆさ。

 

ドーナツ屋を営むくらいだからきっと両親はドーナツを愛し、誇りを持っているのでしょう。

なつこの名前も愛情を持って付けたのでしょう。

なつこが自分の名前を疎ましく思うことは、名前を付けてくれた親に抗議すること。

 

まあ、名前に限らず、こういうことってあるよなぁ、と思うのです。

親が良かれと思ってしたことが、子供の悩みにつながるようなこと。

 

親の愛情が子供にとって、必ずしも良い方向に働くとは限りませんよね。

 

さてさて、そんな「どうなつこ」ちゃん。

学校に行って、恐れていた通り、からかわれるのです…

 

ところが…

 

ひとりでは負けちゃうことも誰か1人仲間がいるだけで、勇気が出る不思議。

ホッとし、勇気をもらえる展開は現実にも有り得そうで、生きるヒントをもらえ、明るい未来を感じます。

 

ひめはドキドキハラハラしながらストーリーを楽しみ、ちびもたくさん出てくるドーナツの絵を喜んで眺めていました。

明るいポップな絵のおかげで、からかわれる場面も暗い気持ちにはならず、楽しく読めます。

 

大人でさえ、キラキラネームなど、異質と感じるものを揶揄したり、偏見で決めつけたり。

 

外からの攻撃にも負けず、どうなつこちゃんが「名前すぐ覚えてもらえてラッキー」なんて笑いながらドーナツも名前も大好きに育って欲しいな、と思う私です。

 

中身とは関係ないような、意外と中身を表しているような、名前という特別なもの。

 

自分の名前も人の名前も大切に扱いたいですね。

 

わたしドーナツこ

わたしドーナツこ

  • 作者:井上 コトリ
  • 出版社/メーカー: ひさかたチャイルド
  • 発売日: 2011/01/01
  • メディア: 大型本
 

 

 

忘れていた子ども心で追体験「ゆきのひ」

こんにちは。

子供たちと今年の目標を考えていました。

私「あまりにできないことだと途中でやる気がなくなるから、頑張ったらできるかも!くらいのことがいいよ。」

子供たち「わかった」

私「ママは、怒った時でも恐い顔とか大きな声を出さないようにしたいな」

子供たち全員「できないことは目標にしちゃダメだよ!」

……いつも言い争っている子供たちの意見がぴったり揃いました。

理想と現実のギャップを見せつけられたくるみです。

 

さて。

今年も暖冬なのでしょうか。

そこまで寒くはない気がします。

 

冬といえば雪、と連想するひめは、雪を心待ちにしています。

かまくらってどうやって作るの?作って中でこたつ入りたいな〜」

「学校でみんなで雪だるま作ったら、すっごく大きいのできるよね?」

などと、夢は広がるばかり。

 

かまくらは、東京ではなかなか難しいと思うよ…

 

でも、東京で近年大雪が降った年もありました。

あれは何年前だったでしょう?

降り慣れていないので、雪かきの道具も手袋もなくて大変だったことを覚えています。

今年は降るのかな?

 

お正月に帰省した長野では雪を見ました。

降っていたのは少しだけですが、子供たちは興奮して、わざわざ雪を触りに外に出ていました。

 

子供にとって、雪というのは魅惑の遊び道具。

粘土のように形を変えられて、積み木のように積むことができて、ボールのように投げられる、最高のおもちゃ。

 

大人になった今の私は、雪といえば、寒さと静けさ。

初めはきれいなのに、溶けてぐちゃぐちゃになり、薄汚くなるときの残念さ。

そして、交通手段を止め、外出しにくくする足かせのような存在にしか感じられません。

 

雪に心躍らせている子供たちを眺めていると、自分がどれほど大人になってしまったのかを知らされます。

私には、もう雪にときめく気持ちは微塵もありません。

 

大人になるにつれて得たものも多いけれど、実は気付かないまま失ってしまったものもあり、それは、思っている以上に多いのではないかと思うこの頃です。

 

今日は、雪の日を楽しむことができた子供の頃の気持ちを少し取り戻せる絵本です。

 

感情は描かれていないのに

冬のある朝、目を覚ましたピーターが窓の外を見ると、夜中降った雪が積もっていました。ピーターは外へ飛び出し、思い浮かんだことを次々と実行していきます。雪に心躍るピーターの1日を一緒に体感できる絵本です。

 

ドアを開けたら、真っ白な一面の雪!

そんな時。

さあ、まずは何をするでしょう?

 

そう!

絶対、足跡をつけます!(よね?)

何の跡もついていないきれいな雪に足を差し出す瞬間、ザッと雪に沈む足の感触、自分が歩いた分だけへこんだ雪の跡を眺める時。

ワクワクします。

 

ピーターも足跡を付けて行きます。

つまさきを そとへむけて あるいたり、

また、つまさきを なかへむけて あるいたりした。 

内股、がに股、って。

ピーター、ナイス好奇心!

 

次に、ピーターは両足を引きずって歩いてみます。

ああ!わかる!傘なんかも引きずりたくなるよね。

 

そんな感じで物語は進んでいきます。

ピーターは雪を見て、やってみたいことを次々と体験していきます。

それを読んで、私達自身も同じように雪と遊んでいるような気持ちになってきます。

 

物語では、ピーターの細かい表情や感情は出てくることはなく、淡々と描かれているのですが、雪をポケットに大切にしまう様子や帰ってからお母さんに一部始終を報告することからピーターがどんなに楽しかったかがよくわかります。

お風呂でもピーターは何回も何回も雪で遊んだ一日を思い出しています。

 

ひめはポケットに入れた雪が溶けて、ピーターががっかりするのではないかと心配していました。

ひめは、ストーリーの途中で心配事があるとそればかりが気になってしまうようです。

 

それにしても、なぜでしょう。

この淡々とした文章と、静かな優しい色彩の絵で、どうしてこんなに嬉しさ、楽しさ、驚き、ワクワク、がっかりが伝わってくるのでしょう。

 

忘れていた記憶の中の私自身の雪の日の経験と重なるからなのか。

具体的な描写がない方が想像が膨らむからなのか。

 

この余韻。この余白。

心の奥に深く届きます。

 

読み継がれるだけあるなぁと思う1冊でした。

みなさまもぜひ!

ゆきのひ (偕成社の新訳えほん―キーツの絵本)

ゆきのひ (偕成社の新訳えほん―キーツの絵本)

 

 

気にかけてもらう嬉しさ「おきゃく、おことわり?」

昨年、このブログを読んで下さったすべての方々、本当にありがとうございました。

 

更新しないうちに今年ももう8日じゃないか!…というゆるりとしたブログですが、ぼちぼち続けていきたいと思っておりますので、本年もどうぞよろしくお願いします。

 

2020年、始まりましたね。

にーさん、ひめ、ちびはみんなオリンピックイヤー生まれの4才違いですが、今年は産まないくるみです。

 

ところで、みなさんは雑談が得意ですか?

 

私はとても苦手です。

子供のつながりで出会うママさん(いわゆるママ友)との会話があまり弾まず、沈黙に冷や汗流すこともしばしばなのです。

 

最近はもう開き直っていて、できない自分に呆れる、もう一人の自分の存在を感じます。

会話中に「また話せてないなぁ」と冷静に分析する第2の私がいるのです。

 

そんな第2の私の分析によると、どこまでプライバシーに踏み込んでいいのかわからない問題、が大きな原因の1つです。

 

相手が仕事の話をしている時に「何の仕事をしてるの?」と聞けなかったり、「好きなアーティストがいて」という時に「誰のファンなの?」と聞けなかったり。

 

親しい友達の場合はいちいち考えなくても質問するかどうかなど無意識に判断できるのですが、ママ友くらいの距離感だとどこまで聞いていいのか躊躇してしまいます。

 

相手が具体的に話さないことを、こちらから聞くのは踏み込み過ぎかなと思って聞かないでいると、コメントも当たり障りないことになって、浅〜い会話で終了。

 

相手と仲良くなりたい!、相手のことを知りたい!という気持ちを持てば、自然と少し踏み込むことも必要かな、とは思うのですが、加減がわからず…

 

今日の絵本は、今年の干支、ネズミの出てくるお話。少し踏み込むことが、仲良くなる秘訣かも、と思わせられる1冊です。

 

気にかけてもらう嬉しさ

「おきゃく、おことわり」と貼り紙をしたクマの家にネズミがやってきました。クマは貼り紙を指し示し、断ります。ところが、ネズミは諦めず、何度追い出されてもクマの家に侵入し…。大きなクマと小さなネズミの組み合わせがとっても可愛い絵本です。

 

クマはお客のネズミを門前払いします。

それでもめげずに何度も勝手に侵入して部屋の中のどこかに隠れているネズミと、ネズミを見つけては追い出すクマのやり取りが面白く、ひめは「またどこかに隠れてるのかな」とワクワクし、釘付けになっていました。

 

とうとう穴という穴を塞ぎ、完全に戸締まりをしてしまったクマ。

もうネズミは隠れていないかも…?

 

ネタバレになってしまいますが。

 

 

 

ネズミはそれでも部屋の中に忍び込んでいるのです。

見つけて驚き、根負けしたクマはネズミに屈服し、ネズミのしたいことをしてあげます。

 

ネズミのしたいこと、それは一緒にお茶を飲むこと。

 

ネズミとお茶の時間を過ごしたクマは、相手に気にかけてもらうことや話を聞いてもらうことの喜びの大きさに気付くのです。

 

こんなに きにかけて もらったのは、 うまれてはじめてです。 

 

クマがこんなにも幸せな気持ちになったのは、ネズミの図々しさがあってこそ。

気にかけてもらうのって本当に嬉しいもの。

やはり、相手のエリアに踏み込むことは仲良くなる近道と言えそうです。

 

けれど、その後のネズミの引き際の見事さを読んで、ネズミの駆け引きの上手さに尋常ではないものを感じます。

これはこのネズミだからできた技なのかもしれません。

思い返せば、追い出された時のネズミの寂しそうな姿の可愛いことといったら!

小悪魔的なネズミです。

真似できる気がしません。

 

相手に踏み込むのも、やる人ややり方によってはストーカーや嫌がらせにも感じられるわけだし、結局どうしたらいいのか…

 

と、私の雑談力は一向に上がらないのでした。

 

小悪魔ネズミにしてやられた感はあるけれど、仲良しになった凸凹コンビに温かい気持ちになります。

 

今年はネズミ年。

このネズミのようにたくさんの人と仲良くなりたいな。

おきゃく、おことわり?

おきゃく、おことわり?

 

 

今ある幸せとここではないどこかへの憧れ「もみの木」

こんにちは。

にーさんはクリスマスプレゼントでボードゲームをもらったのですが、早速やりたくて、2人の妹を懸命に誘っています。

対象年齢8才以上のゲームは、いくらなんでも3才には無理じゃないか、と思うくるみです。

本人はやる気まんまんで参加していました。

 

さて。

子供が小さいので児童書コーナーに行くことが多く、自分が子供の頃に読んだ本と再会することも多いのですが、思い出すのは悲しい話ばかりです。

 

まだ自分では読めない頃に、よく読んでもらった「ひとりぼっちのこねこ」という絵本は、親と離れて土管の中で泣く子猫が主役の、いたたまれないお話だったと思います。

ラストも希望なく終わってしまった気が…。

読むたびに泣いていたそうです。

(もっと明るい本を買ってよ、お母さん!そしたらもっと楽観的で明るい子になったんじゃないか?なんて逆恨みしつつ(笑))

 

今日の絵本も寂しいラストにしんみりしてしまいますが、クリスマス飾りの片付けの合間にふと読みたくなる絵本です。

 

今ある幸せとここではないどこかへの憧れ

森の中で小さなもみの木は早く大きくなりたいと願っています。すずめからクリスマスの話を聞き、クリスマスツリーに憧れるもみの木でしたが…深い余韻を感じさせてくれる絵本です。

 

もみの木は、立派なクリスマスツリーになることを夢見ています。

けれど、クリスマスツリー用に切り倒されたら、もうあとは枯れていくだけ。

それを知らないもみの木はクリスマスに飾られて喜び、最高の幸せを感じ、自分がまた飾られる日がくると信じています。

現実は、願いも空しく薪にされてしまうのです。

 

多くの大人の読者は、きっと、もみの木の一生に人の一生を重ね合わせるのではないかと思います。

 

もみの木に風がささやきます。

いまは こんなに いいときなのに。

どうして おまえは きがつかないの?

 

今に満足せず、ここではないどこかを夢見るもみの木。

大きくなること。

飾られること。

そればかりを願い、見せかけの栄光に踊らされたようにも見えます。

 

その願いが叶って、命短いもみの木は幸せだったのでしょうか。

それとも、こんなことならクリスマスツリーなんかにならなければ良かったと思ったでしょうか。

 

もみの木の中で、最期までクリスマスの思い出は輝いています。

ひと時でもそのような輝いた時間を得た一生は幸せだとも言えます。

 

現状に幸せを感じること、日常の中の幸せを探すことはとても大切です。

 

一方で、未来を夢見ることも大切です。

 

この2つを共存させることは実は難しいことではないかと思うのです。

 

「現状に満足するな」というのは向上心を育てる決まり文句ですよね。未来を夢見て挑戦する気持ちも大切です。

けれど、ただただ憧れだけで未来に希望を求めると目の前の幸せを取りこぼしてしまう。

何事もバランスが大事です。

 

ひめは私に似て、涙もろいので、ラストに驚き、「え?これで終わっちゃうの?」と涙を浮かべていました。

そして、「この本、すきじゃない」と。

 

私はというと、この絵本、とても好きなのです。

儚さや一瞬の輝きというものに弱いのかもしれません。

 

そういえば!とアンデルセンの童話を思い出してみると…

「スズの兵隊」「人魚姫」「マッチ売りの少女」。

子供の頃に読んで鮮烈に覚えているものばかり。

燃やされる兵隊、泡になる人魚、凍え死ぬ少女。

もみの木と通ずるものがあります。

ひと時の幸せと引換えに命を失い、もみの木と同じく、苦しむのではなく、楽しかった思い出、輝いていた思い出を胸に消えていくのです。

 

子供ながらに、根拠のないハッピーエンドよりも、不運の中でも気持ち次第で温かい気持ちになれるということの方にリアリティを感じたのかもしれません。

 

いまは こんなに いいときなのに

これは日々育児でも感じることです。

気付いてるんだけど、時は容赦なくさらさらと流れていきます。

取りこぼさないように、今は今で精一杯幸せを掬いながら、よりよい明日を夢見れたら…

そんなことを考えさせられる絵本です。

 

表紙にもなっている光を浴びたもみの木のページも好きです。

みなさまもぜひ。

もみのき (アンデルセンのえほん)

もみのき (アンデルセンのえほん)

 

 

 

クリスマスにおすすめの絵本「となかいはなぜサンタのそりをひく?」

こんにちは。

忙しなく過ごす年末、いかがお過ごしでしょうか。

今年中にやるべきこと、やりたいことが多すぎて、時間がいくらあっても足りません。

「ああ、時間がないよぉ!」と言った私に、「〇〇ちゃん(ちび)は、じかんあるから、あげるよ。はいどうぞ」とくれたちび。

ありがたく受け取ったふりをしていたら、しばらくして、「〇〇ちゃんがあげたじかん、もうつかった?」と聞かれ、返答に詰まってしまったくるみです。

 

さて。

今年ももう少しでクリスマス。

子どもたちはワクワクドキドキ、待ち遠しく過ごしています。

サンタさんからのプレゼントを心待ちしている我が子たちです。

 

今更ですが、サンタさんって不思議な存在ですよね。

遠い国から来る、という微妙な距離感。

白いひげで全身赤。

さらには、トナカイにひかれた空飛ぶそりに乗っている…

トナカイなんて実物は見たことないし。

 

改めて考えると謎が多すぎて、よくもここまで流行ったなぁと思います。

 

謎が多いから逆に信じられるのかなぁ。

 

例えば、トナカイに馴染みがあって、サンタクロースという名前も身近に感じる国に住んでいる子はどんな印象なのでしょう?

 

日本で言い換えると「牛が引くそりに乗った布袋さま」とかになるのかな?

それはそれで日本の空を飛びそう。信じられる気もします。

 

たくさんあるサンタさんの謎の中でも、サンタさんはなぜトナカイとペアを組んでいるのか、そんな疑問に答えてくれる絵本があったので、紹介します。

 

選ばれしもの、トナカイ

歩いて配ることに限界を感じたサンタクロースに、小人たちは空飛ぶ魔法のそりを作ってあげました。喜んだサンタクロースはそりを引いてくれる動物を募集することにしましたが…たくさんの動物の登場が楽しいクリスマス絵本です。

 

干支の順番の由来や人参と大根とごぼうの色の由来など、由来をこじつけた(言い方が悪い!)寓話ってありますよね。

 

想像力で現実世界を見る視点に夢があって、私は好きなジャンルです。

 

この絵本もそんなお話の1つです。

 

サンタクロースが募集したそり引きの仕事に、いろいろな動物が立候補します。

けれど、象は重すぎて屋根を壊してしまい、

犬は高所恐怖症でダメ、カンガルーは…

試しにそりを引いてみると、どの動物も様々な理由で向いていないことがわかるのです。

 

美しい真面目なタッチの絵の感じ(主観です)で、そり引きに失敗する様子を描いているのが面白く、とても魅力的に感じました。

その辺のコンビニに貼ってあるようなアルバイト募集のように、気軽にそり引きを募集しちゃうサンタクロースのキャラクターも素敵です。

 

ひめはどこからどこまで作り話と思っているのか、聞き入っていました。

 

意外と、難しいそり引きの仕事。

数ある動物の中で、トナカイは選ばれしものだったんですね。

 

個人的には、積極的な志望理由でないのが気になりました(笑)

 

明日はもうクリスマスイブ。

夜にはサンタさんのお眼鏡にかなったトナカイがそりを引いてくるんですね。

義理堅いトナカイの姿を思い浮かべながら、2019年のクリスマスイブの夜を過ごしたいと思います。

メリークリスマス!

となかいはなぜサンタのそりをひく? (大型絵本)

となかいはなぜサンタのそりをひく? (大型絵本)

 

 

イライラは人の損ならず「ぶん ぶん ぶるるん」

こんにちは。

風邪をきっかけに、また体調不良が続いてしまったくるみです。

 

身体の調子が悪いと、なかなかブログが更新できません。

調子に左右されずに出力できる人になりたいです。

誰かコツを教えて下さい。

(ただただ根性が足りないのか…?)

 

そんな私にも主婦の仕事は容赦なく降りかかってきます。

ウォーキングして帰ってきたら、洗濯機を回し、朝ご飯の用意、早起きのちびのお世話と、休日も寝てはいられません。

 

先週の日曜日。

朝の仕事を終えて、ちょっと休憩、お茶を飲んでいたとき。

ひめに、「なんで何もしてないの?パパは働いてるよ〜」と言われました。

 

確かにその時夫は息子の習い事の雑事をしてくれていたのですが、いやいや、待ってよ、ママは朝早く起きて結構働いたんだよ…と訴えながらなんだか泣きたくなってしまいました。

何気なく悪気もない無邪気な子どもの発言。

だからこそ垣間見えた本音。

 

主婦の仕事って全然働いてるように見えないのだろうか?

 

それから、なんだかイライラ。

認めてもらえていないイライラ。

 

もやもや、イライラが消えず、八つ当たり先はもちろん夫(苦笑)。

置かれたままのゴミについて、必要以上に嫌な口調で、

「すぐに捨ててよ、いつもこうやって置きっぱなしにして誰が捨てると思ってるの!」と。

 

言われた夫もイライラ。

夫の八つ当たり先は息子。  

 ひめをからかって泣かせるにーさんに、

「やめろって言ってるだろ!」と。

 

言われたにーさんもイライラ。

余計にひめをいじめます。

 

そして、ひめも…

 

ああ、私のイライラがみんなに伝染してしまった…反省。

そんな我が家のようなストーリーの絵本があるので、今日はその絵本を紹介します。

 

イライラは消えない

蜜蜂がやってきて雄牛を刺した。刺された雄牛は驚いて跳ね回り、そのせいで雌牛はご機嫌斜め。農家のおばさんを蹴飛ばした。蹴られたおばさんはおじさんにがみがみ八つ当たり。イライラはどんどん感染して終わらない。最後には…!テンポ良く読める文とどんどん進む場面が楽しい絵本です。

 

蜜蜂が、ぶん ぶん ぶるるんと飛んできて、雄牛を刺します。

 

そこから全ては始まります。

驚き、イライラ、暴力はどんどん周囲に伝染していきます。

 

ほうらおばさんおこったぞ。 おうちでがみがみやつあたり。 

などと、文章のリズムが良く、スーパーマリオのように右にどんどんスクロールして場面が変わるような展開はとても読みやすく、子どもにもわかりやすく楽しめます。

動物たちの怒ってる表情も面白く、イライラって客観的に見るとわりに滑稽だなぁと思ったりしました。

 

そうそう、このストーリーはまさに日曜日の我が家。

イライラは伝染していくのです。

どこにも消化されないイライラは、またまた回ってくると想像できるストーリーが秀逸です。

 

イライラを初めに発信してしまうことが多い私ですが、そんなことしてるといずれは自分に返ってくるぞ、ということです。

発信しないのはもちろん、できれば自分のところで止められるくらいの大きな器を持ちたいものです。

 

…と短気の私は、情けは人のためならず。的な教訓を受け取りましたが、そんな真面目な解釈など抜きで、リズミカルで楽しく、エンドレスなストーリーに何度も読んで楽しめる絵本です。

みなさんも是非。

ぶん ぶん ぶるるん (ほるぷ海外秀作絵本)

ぶん ぶん ぶるるん (ほるぷ海外秀作絵本)

 

 

誘惑と闘え!「どうするジョージ!」

こんにちは。

「『大丈夫?』って聞かれて『大丈夫じゃない』って答えるのはお母さんだけだよ」とにーさんに言われて苦笑した、すぐ弱音を吐いてしまうくるみです。

 

日曜日のこと。

昼ごはんの片付けも終わり、にーさんは1人でゲーム、夫が娘2人と図書館に行ってくれて、これはチャンス!やりたいことが出来る!

溜まっている読書、ほぼ日手帳の記入、ブログ更新、作り途中の手芸、やりたいことは山ほどあって、今こそやる時!

 

でも…

 

なんだかだるいし、眠いなぁ。

誰にも邪魔されず昼寝ができるチャンスでもあるな。

いやいや、今寝ると夜も眠れなくなって明日の朝早起きできないぞ。

それにせっかくの貴重な自由時間を有意義に使わないと。

でも、たまには昼寝ぐらいしてもいいよね、と言い訳をしてソファにごろり。

誘惑に負けてしまったのでした。

 

そんな感じで誘惑に負けてしまうことってたくさんあります。

ダイエット、勉強、片付け…を邪魔する誘惑たち。

寒くなってきた今は、早起きなんかも温かい布団の誘惑との闘いです。

 

今日の絵本は誘惑と闘う犬のお話です。

いつだっていいこでいたい

出掛けるハリスに「いいこにしていられるかい?」と聞かれ、「もちろん」と答えた犬のジョージ。そんなジョージの目の前に、ケーキ、ねこ、花。次々と誘惑が…。どうするジョージ!ジョージの動向に夢中になれる絵本です。

 

ぼくは いつでも いいこだよ。

いいこじゃなかったことなんて あったかな

 

という自信満々のジョージ。

そんなに自信あるなら、勝手にケーキ食べないよね?

ねこも追いかけないよね?

花の根っこ掘ったりもしないよね?

誘惑が現れる度、表紙と同じジョージのアップに

 

どうするジョージ!

 

の文句。問われるジョージの何とも言えない困ったようなとぼけた表情が良いです。

最初は驚き、次は薄々予想でき、最後には確信してめくるページはどれも楽しく、子どもたちは「えー!」「やっぱりー!」といい反応で聞いていました。

 

そして物語の最後はゴミ箱見つけたジョージに「どうするジョージ!」と問いかけて終わります。

それぞれが想像できる余白を与えてくれています。

ジョージどうしたかなぁ?

ひめは「ジョージはひっくり返しちゃったと思うな」と言っていました。

私もそう思いました(笑)

みなさんも読んで想像してみて下さい。

 

いいこでいたい。でもやりたいこともやりたい。

そんなジョージの姿に、子育て中の方は子どもを重ねてみるかもしれません。

 

やりたい放題に見える子どもだって、親を喜ばせるようないい子でいたいのが本当の気持ちなのでは?

でも、求められることが楽しいことというわけではないから、どうしても誘惑が勝っちゃう。

 

 

大人だって誘惑に負けちゃうんだもん。

子どもだって、犬だって。

 

裏表紙でジョージを抱きしめるハリス。

そう、いいこだっていいこじゃなくたって大切な存在であることは変わりません。

(まあ、できれば家はめちゃくちゃにされたくないけど…(笑))

 

絵は朱色や紫が多めの色遣いで、おしゃれなイラストのようです。

 

子供たちは、緑の顔の小さなハリスが飼い主に見えなかったようで、「これは誰?ネズミ?」と聞いていました。

確かにちょっと人間には見えないかも。

でも、そこはおしゃれなテイストに免じて目をつぶりましょう。

グッズなど作ったら人気が出そうな可愛い絵です。

 

みなさんもぜひ!

どうするジョージ!

どうするジョージ!