3つのたねに絵本の水を

日々思ったこと、子育てエピソードと共に、3人の子供たち(にーさん(中1)ひめ(小3)ちび(年中))に読み聞かせた絵本を1冊ずつ紹介しています。

隣りの芝生が青く見えるのはなぜ?「とんでもない」

こんにちは。

ひめは何をするのものんびり。いつも「早く!」と急かしている私なのですが…。ある日の朝。約束の時間に遅れそうで、本人も珍しく焦って準備している最中。連絡袋に体温チェック表を入れるときに、「はい、これ食べてね。パクパク」と連絡袋をペット、チェック表を餌に見立てて1人遊びしていた様子に、なんだか力が抜けてしまったくるみです。

彼女は時間より大事な何かを持っているのかもしれません。

 

さて。

人をうらやましく感じること、ありますか?

 

私がよく思うのは、子どものいない生活に対して。

 

私の生活はほとんどが子どもの世話。

言い換えると子どもの世話以外はほとんど何もしていない日々(汗)

妊娠中から考えると、それを、かれこれ13年も続けているのです。

子どもがいて、さらに意欲的に働いている、という方もたくさんいらっしゃるのでしょうが、両立ができない私にとっては雲の上の存在です。

 

ふと、子どもがいない人生について考えます。

 

働いたお金は全て自分とパートナーのために使えて、

学校のことなどは考えずに好きなところに引っ越せて、

仕事も、安定や時間条件より好きなこと重視で働けるかも…とか。

 

話題のおしゃれなレストランやカフェやバーに行けて、

洗えるかを最優先事項にせずに服を買えて、

中辛のカレールーを使ってカレーを作れて、

段ボールで作った大きな工作がリビングを占有することもなく、

床に散らかったレゴを踏んで、痛みに悲鳴を上げることもない…とか。

 

けれど。

いなかったならいないで、

子どもは可愛いだろうとか、

子どもがいないと世間の風当たりが強くて嫌だとか、

親孝行できてないんじゃないかとか、

そんな風に考えてしまうかもしれない、と思ったりもします。

 

たぶん自分という人間は、子どもがいなければいないで不安になるタイプで、子どもがいることで自分の存在意義を認めることができている気もします。

そんな母親でいいのかは疑問ですが。

 

子どもは可愛いし、やりがいだってあります。

でも、憎たらしいときだってあるし、毎日騒音にまみれているのは本当に大変。

 

今あるものに感謝する、のは素晴らしいことですが、あるものを鬱陶しく思う気持ちもやっぱりあるよね。

 

今日の絵本は、そんな気持ちをユーモアいっぱいに描いた絵本です。

 

どんなことも、いいことばかりじゃないものだ

ぼくはサイの鎧のような立派な皮がうらやましい。でもサイは跳ね回るウサギがうらやましくて、そのウサギはゆったりと泳ぐクジラがうらやましくて…動物の視点からそれぞれ悩みを訴える、ユニークな絵本です。

 

他の動物からうらやましいと言われたことについて、その動物が「とんでもない。いろいろと大変なんだ」と説明していきます。

その説明が、愚痴にも聞こえる、面白い言い回しなので、大人も楽しめちゃいます。

 

たとえば、サイはカッコいいと言われた鎧のような皮について、

おもいんだよ

と一蹴します。

燃費が悪い体に対し、

ぼくの ために よろいが あるのか

よろいの ために ぼくが いるのか

よく わからなくなるよ

と愚痴ります。

 

結局のところ、

じぶんに ないものは よくみえるけど

あったら あったで いろいろ たいへん

なのかもしれません。

 

うらやましいのは、いい面だけを見ているから。

実際に手に入れてみれば、全てのことは表裏一体、いい面も悪い面も付いてくる、ということですね。

 

裏表紙では、不満に感じていることに対して、それぞれ工夫してうまくやっている動物たちの様子が描かれています。

そうそう、そんな風に、嫌な面も受け入れてどうにかやっていくしかないもんなぁ、としみじみ思ってしまいました。

 

子どもたちはというと、表紙の絵を見ただけで、「あ、これぜったい面白いやつだ!」とニコニコ。

鈴木のりたけさんの絵本は、そんな認識らしいです。

最後に付いている絵探しクイズも大好評でした。

 

他人にとって、大変そうだな、嫌だなと思うことが、本人にとっては全然気にならない、という逆パターンの絵本「なんでもない」も、同じように面白くておすすめです。

とんでもない

とんでもない

 

 

 

なんでもない

なんでもない