3つのたねに絵本の水を

日々思ったこと、子育てエピソードと共に、3人の子供たち(にーさん(中1)ひめ(小3)ちび(年中))に読み聞かせた絵本を1冊ずつ紹介しています。

法則を見つける快感「ふしぎなきかい」

こんにちは。

♪あかりをつけましょ ぼんぼりぼん♪ と歌うちび。ぼんぼんりぼん(サンリオ)が頭に浮かび、笑ってしまうくるみです。

 

さて。話は変わって。

数学はお好きですか? 

 

学生時代は問題を解くことに必死で、テストの点が気になって、好き嫌いという観点すらなかった私ですが、小川洋子さんの「博士が愛した数式」を読んでから、数字の神秘に惹かれるようになりました。

 

最近では、冨島佑允さんの「日常にひそむうつくしい数学」という本と出会い、身近に潜む数字の奥深い世界に触れて、畏敬の念を抱いています。

 

例えば、ハチの巣が六角形なのは規則正しく並べることができるだけでなく、壁の面積を最小限に抑えて、広い空間を作ることができるから。

つまり、六角形にすることで、最小の材料で、丈夫で広い部屋を作ることができるのです。

計算などしないハチが、自然界で本能的に行っているのがすごいです。

 

そして、数学のすごいところは、その事実を魔法のように数字を使って導くことができること。

「この公式とこの公式を当てはめて考えると…ああ!ほんとだ!」と、満足できる解が明確に得られることではないかと思うのです。

あれもこれも整然と収まる美しさ。

 

中でも、フィボナッチ数列と自然の関係が好きです。

巻貝の模様や、木の枝分かれ、葉の付き方…

一見、ランダムに見えるものが、きれいに数字と合致する奇跡に鳥肌が立ちます。

数字は人間が勝手に決めた人工的な記号のはずなのに。

 

 不可解で混沌として見える世界に規則性を見つけること。 

 

数学や理科の面白さの真髄はそこにあるのではないかと思うのです。

予測できない世界の一部が、自分の理解内に収まるのは嬉しいものです。

 

法則を見つける喜び。

規則性を見つけてしまう人間の本能。

 

今日はそんな、生まれつき備わっている規則性探しの本能を刺激する絵本です。

 

法則を見つける快感

小人が素敵な魔法の機械を発明しました。左の入り口から、何かを入れると、右の出口から違ったものになって出てきます。左から眼鏡を入れると、右に目の付いた眼鏡が。どうやら目鼻が付く機能のよう。チャンネルを変えると機械の機能も変わり…。今度はどんな機能かと考えるのが楽しい絵本です。

 

左から入れたものと出てきたものが見開きのページに示され、どんな変化なのかを考えられる絵本です。

 

ページをめくるたびに機械のチャンネルが変わり、法則も変わります。

4歳でも分かるものと少し難しいものがあり、次はなんだろう、と好奇心を掻き立てます。

 

ちび 「たくさんになってる!」

ひめ「1つ多くなってるんだ!」

 

やっぱり、8歳の方が法則の細かい点まで気付けるらしく、その違いも見ていて面白かったです。

 

安野さんの緻密で優しく品がある絵が素敵で、内容がすっと入ってきます。

最後の展開や絵もユニークです。

 

昔からある絵本は、なぜこんなに静謐な雰囲気と奥ゆかしいユーモアとを合わせ持った絵本が多いのでしょう。

言葉遣いのせいでしょうか。

 

法則がわかっても何度も読みたくなる絵本です。