3つのたねに絵本の水を

日々思ったこと、子育てエピソードと共に、3人の子供たち(にーさん(中1)ひめ(小3)ちび(年中))に読み聞かせた絵本を1冊ずつ紹介しています。

姉の気持ち、妹の気持ち「ねえさんといもうと」

こんにちは。

夏休みが終わり、今日から学校が始まりました。にーさんは昨日の夜遅くにやっとのことで終えた自由研究を持っていきました。

学校始まるぅ!と浮かれていたものの、今日は給食ないんだった!と慌てて昼食のことを考えたくるみです。

 

さて。

以前、"アナと雪の女王"が流行った頃。

アナ雪について話していたら、友達が「まったく姉の気も知らないでさ」と言い、その一言が思ってもいなかったので驚きました。

 

友達は三姉妹の1番上。

 

アナ(妹)はエルサ(姉)の気も知らないで天真爛漫、無責任に後先顧みず勢いで行動している、と感じながら観ていたとのこと。

 

兄と2人兄妹の私には、想定外の感想だったのですが、(どちらかと言うとエルサが1人で背負い過ぎだと思っていた。)最近になって、我が子を見ていてその気持ちがだんだんわかるようになってきました。

 

ひめとちびは姉妹です。

親バカ極まりないですが、ひめは本当によくできた子で、ちびがどんなにわがままを言っても、辛抱強く、優しく、面倒をみてあげます。褒めてあげるのもとても上手です。

 

それに比べて、ちびはやりたい放題。

おれのものはおれのもの、お前のものもおれのもの。

都合が悪くなれば泣いて、何かお願いしたい時は甘えて…

 

そんな2人を見ているとつくづくお姉ちゃんって大変だなぁ、と思うのです。

 

今日出逢った男性とあっという間に婚約して浮かれて、具体策もなしに根性論を語るアナと、苦悩の末に孤独を受け入れる覚悟をするエルサ。

 

そういえば、"となりのトトロ" のメイとサツキも感情のまま生きるメイと我慢強く面倒見のいいサツキの姉妹ですね。(メイの自由さは幼さゆえな気はしますが…)

 

私の場合は兄がいますが、上が男だと面倒をみてもらった記憶はほとんどなく、姉妹とはまた少し違う気がします。

けれど、誰かが何とかしてくれるんじゃないか、何事もまあ何とかなるかなという他人任せの基本姿勢は私の中にもあると思います。

 

もし、妹がいたら、私も面倒見がよくなっていたのかな…

面倒見のいい優しいお姉ちゃんが欲しかったな…

 

そんなことを思う最近。

 

今日の絵本はある姉妹のおはなしです。

 

姉の気持ち、妹の気持ち

小さい妹は、いつも姉さんといっしょです。 学校へ行くときも、遊ぶときも、おやつを食べるときも。 姉さんは妹の面倒を見てくれます。姉さんは何でも知っているのです。そんなある日、妹は1人になりたくなり…。小さな姉妹のそれぞれの気持ちが手に取るように伝わってきてそれぞれの健気さにじんとする絵本です。

 

この絵本、本屋さんで見たとき、表紙にやられてしまいました。

大好きな酒井駒子さんの絵。

そして、頭の形、細い髪、パーツの薄い顔、華奢な腕…

絵本の姉さんが、ひめそのものに見えたのです。

 

姉さんは妹の面倒をみてくれます。

道路では手を繋ぎ、おやつの時間には甲斐甲斐しく牛乳をいれてくれます。

 

その姿はひめがちびの面倒をみている姿と重なります。

優しいなぁ。かわいいなぁ。(超親ばか)

 

そんな姉さんに世話されている妹が、ある日、1人になりたくて、こっそり家を出て行きます。

 

まあ、その感情もわかります。

世話を焼かれる方の少し鬱陶しく感じてしまう気持ち。

 

けれど、自由になった妹の開放感と対照的に、姉さんの心細さや心配する姿が切なくて胸が痛いです。

 

読み聞かせながら、ひめはどんな気持ちで聞いているのだろう、とひめの反応を伺っていたのですが、やっぱりひめは姉さんの立場で考えてるようでした。

 

「お姉ちゃんでも何でもは知らないよねぇ。」

「1人で行ったら危ないよ。」

 

妹がいなくなって、そわそわするひめ。

 

なんか、お姉ちゃんが不憫だ…

 

この絵本はアナ雪と違い、私も姉目線で読みました。

それは物語のせいか、私がひめとちびの姉妹を普段見ていてお姉ちゃんに肩入れするようになったせいなのか…。

 

妹を探している姉さんが可哀そうで可哀そうで。

何も知らない(もしくは知っていても気にしない)妹の行動に腹立たしささえ感じてしまいます。

 

けれど、読後には、やはり妹の存在が姉さんの励みになったり、助けになることもあることに気付き、寄り添う2人に穏やかな気持ちになれました。

 

ふたりの姉妹の姿に、人が人と関係を築くことの奥深さについて考えさせられます。

 

親と子もそうで、世話をしてる人ばかりが頑張っていて大変で、感謝すべき存在であるとは限らないのですね。

世話をすることが楽しかったり、生き甲斐だったり、成長する姿を見せてもらったり。

さらには、関係は変わっていき、時が経てば対等になり、同士になり、やがて、助けてもらう日もくるかもしれない。

 

結局、エルサもアナの勢いのある行動に助けられたことだし。

 

我が子たちも、お互いに感謝しつつ、助け合える姉妹になってくれたらなぁ。

としみじみ思います。

 

大好きな絵本です。みなさまもぜひ。

ねえさんといもうと

ねえさんといもうと