明るい未来はきっとくる「それしかないわけないでしょう」
こんにちは。
サンダルを履くために足の爪にマニキュアを塗ったくるみです。
毎年この作業をすると夏が来た感じがします。
40回目の夏。爪も年をとったなぁ…と感じた今年です。
さて。我が家には3人子供がいます。
まだ子どもを産む前、子どもはみんなテレビが好きだと思っていました。
「うーたん(Eテレのキャラクター)が大好き」「テレビを見せている時だけ家事ができる」「あかちゃんはCMの音に反応が強い」「テレビに近寄りすぎる」などなど、テレビ好きの子供の話をたくさん聞いていたからです。
けれど、にーさんはテレビが好きではありませんでした。
ちょっと見てはすぐイヤになってしまいます。
こだわりが強い彼は、好きな歌以外は興味なし。
「ジューキーズ」というEテレ「おかあさんといっしょ」の重機車両の歌が大好きで、
その月の歌として毎日流れていたその曲が、月が変わって流れなくなったとき、彼は怒り出しました。
Eテレでは動物や乗り物などを真似っこをして踊るコーナーもあり、「みんなでゾウさんになっちゃおう!」と、腕を長い鼻に見立ててユラユラ動かしてパオーン!などと踊るのですが。
にーさんはガン無視…
微動だにしませんでした。
子どもは真似が好きで、楽しく踊るのものと認識していた私は唖然。
こだわりが強すぎるのは普通じゃないレベルなのかな。
赤ちゃんのときにテレビを見せなかったからなのかな。
もっとママ以外のものと触れ合った方がいいのかな。
心配になりました。
さて。
時が過ぎ、2人目のひめが誕生。
テレビ大好き、踊る踊る。
アンパンマンの最後の踊りも教えなくても完コピです。
真似っこコーナーでは、忠実に踊ってくれました。
それを見て、私は思いました。
子どもには2つのタイプがいるんだ。
テレビが好きで一緒に楽しく踊るタイプと、テレビが好きでないタイプと。
そして、3人目の子供、ちび。
この子はテレビが好きなのかな?踊るかな、踊らないかな?
とワクワクして観察です。
真似っこコーナーで「今日はヘリコプターだよ!パタパタパタ~」と踊る子役のお姉ちゃんを凝視しているちび。
すっくと立ちあがります。
おっ、これは踊る。きっと踊る子だ!
と思っていると…。
「〇〇ちゃん(ちび)はウサギがいい。ピョンピョン♪」
とウサギの真似をし始めました。
……そうきたか。
テレビと一緒に踊った、とも言えるし、テレビ通りに踊ってない、とも言える。
2つの選択肢以外のの無限の可能性をつきつけられたのです。
これが多様性というものか、と。
「する・しない」、「すき・きらい」、「いい・悪い」、「簡単・むずかしい」…
の間には果てしない世界が広がっています。
それしかないわけないでしょう。
今日はそんなテーマの絵本です。
明るい未来を想像しよう
学校から帰ってきたお兄ちゃんに「みらいはたいへんなんだぜ。」と教えられた女の子。食糧難、感染病、戦争…迫ってくる恐ろしい未来図に驚いておばあちゃんに相談しに行きます。すると、おばあちゃんの答えは、両手を広げ、満面の笑みで「だーいじょうぶよ!」。未来がどうなるかなんて誰にもわからない。2択や予測では表しきれない無限の可能性を考えさせられる絵本です。
暗いニュースが多い昨今。
ああ、もうお先真っ暗!と嘆きたくなることも多く、気分が沈みます。
そんなときの魔法の言葉。
「それしかないわけないでしょう」
お兄ちゃんに暗い未来を突き付けられた女の子におばあちゃんが教えてくれる言葉です。
予測される悪い未来。
けれど、そんな未来しかないわけない。
毎日ウインナーを食べられる未来や、人参禁止の法律ができる未来、1日中パジャマでもいい未来。
女の子が考える未来が、子どもらしく、可愛くて、思わず笑ってしまいます。
毎週クリスマスが来る未来はうちの子たちも「それがいい!」と声を上げました。
話は 、2択や言葉の定義にまで広がっていきます。
これとこれ、だけから選ばなくてもいい。
好き、嫌いの間には言葉にはできない様々な感情がある。
またまた考えさせられてしまうヨシタケさんの絵本です。
それしかないわけない、たくさんの可能性を考える、ということは物事を体系化せずに認識する、ということ。
〇〇ならこうなるはず。こうするはず。こう使うはず。こう言うはず。
という考えを捨てる、ということ。
カテゴリーに縛られないということだと思います。
子どもとは。男とは。女とは。3歳とは。日本人とは。と決めつけず、個性を感じて、その子を見る、ということ。
前述の3人3様の例のように、子育て中に気付くことも多い考え方です。
子育てだけでなく、人や動物、生き物(もしかしたら植物も?)と真剣に向き合う経験をすると、カテゴリー化できないこと、例外的なことに多く直面します。
言語化できないような曖昧なものに対面し、それをそのまま受け入れなければいけない場面があることに気付くのです。
言葉にしてしまうと一律に規則正しく並んでいるように見える世界には、じつは曖昧なものに溢れた無限の可能性が広がっている。
白と黒のその間に無限の色が広がってる (Mr.children・GIFT)
という感じでしょうか。
この絵本には、「それしかないわけないでしょう」という考え方に気付いた女の子の自由な発想の豊かさが描かれています。
そして、長く生きてきたおばあちゃんの包容力、寛容さ、明るさに救われます。
不安を感じている子どもにも勇気と笑顔をくれる絵本です。
ひめは、表紙のタオルの使い方だけでも長い時間楽しめました。
ひめは、自由な発想が大好きです。
「それしかないわけないでしょう」的発想は得意なものの、「それしかないわけない」内容が暗い未来予想ばかりのネガティブ私がこの絵本からもらったもの。
それは、明るい未来を想像する力、
「だ~いじょうぶよ!」と笑い飛ばす力、
明るい想像が作り出す未来への希望の光、です。
想像は創造に、子どもの未来は世界の未来に。
その一方で、何に対しても考えすぎて決められないタイプの私は「それしかない」にも憧れます。
考えすぎて選択に疲れたとき、 誰かが2択に絞ってくれたら…と思うこともしばしば。
2択にはその間にある曖昧な物、入り混じったものを認めない潔さがあります。
考えを進めたり、データをとる上では、どちらかを決めることも重要です。
曖昧なものに言葉を付加することも、情報を伝える上では必要です。
この2つの見方。
おそらく、どちらもバランスよくうまく使っていく必要があるのだろうなぁ。
などなど、大人にも考えるきっかけを与えてくれる絵本です。
不安感が高まる今、とてもおすすめです。